2007-6-3[日]

『スキャナー・ダークリー』のDVDを視聴。 去年末に見たのと変わるわけでないしと冒頭確認のだけのつもりが、見入って最後まで。吹き替え版で見たのだけれど元の声より似合ってるとか思ってしまうのはアニメだからか(ではなくお約束的な声質のパターンに則ってる?)。

で、メイキングものの特典映像。 ディックが動いてますよ、しゃべってますよ。 生前の1977年のインタビューフィルムと、 監督やら出演者やらディックの二人目の娘アイサさんやら へのインタビュー(一人目の娘ローラさんもインタビューはないけど出てる) で構成されてます。 ディックのインタビューは元フィルムの題や字幕がフランス語?ぽく、 引っ張り出したディック本からすると 1977年にフランスのSF大会で講演してるようなので その付近のものなのかな? 内容は既知な気がするので、たぶん、 邦訳なり要約部分引用した書評なりがあるかも。 他にティモシーリアリーと同居してたディックが出て行ったときの書置きのこととか、 『高い城の男』を書いた時に神にお告げを求めたメモ (スキャナーダークリーは売れますか? 傑作ですか? まともな映画になる時が来ますか? ^^; ... 画面に写るメモの線はやっぱり易?なのかな)とか、 のディックの逸話もあって思いのほか堪能。

アニメ制作についての解説は、うー、すごいんだけど失望。 ロトスコープって、もっとオートマティックなシステム/手法かと 思ってたのだけど −−見た目、特化した主線抽出とトゥーン化を 画像処理でやってるのだろうと思いきや−− 実は、大半、人力の模様。ムービーを下絵にしたセルアニメって感じか。 (人力は原画作業レベルなのかな?動画(補完)作業のシーンはなかった?かもで それくらいはシステムで補完できそう?)
そう知ると、この映像は、えらい手間ヒマかかってるなあ、と感心はするけれど、 なんだか小数点以下のことに魂注ぎ込んでしまっているようにも思えてくる。 (ああゲーム制作で人海戦術で実現しようとする表現と、 同種のむなしさを感じてるだけかも)


どうも、ロトスコープという言葉について思い違いしてた模様。 http://homepage3.nifty.com/elevator/cartoon/rotoscope.html に解説があった。画質でなく動きについての手法だったのね。なんで、映画制作に使われたrotoshopというツールに対する感想ってことになるか。
(アニメを制作した会社の頁 http://www.flatblackfilms.com/ にいろいろサンプルがある模様)

ああ当然のごとくyourtubeにディックのインタビューとか諸々、ままあるよう (日本語字幕はないけれど)