気が向いたらメモをとろ 2000/05/12~12/31 

数日~数週間単位のメモのよーです。


 2000-05-12 

 とりあえず原作"大塚英志"の名につられて、 『JAPAN 1』(伊藤真美)を読む.
 大塚英志のあとがきからすると出し直しらしい (ちょうど角川分裂時のコンプで連載してたと)。 "ゾーン"とか"ストーカー"とかストロガツキー兄弟の 『ストーカー』を踏襲しててちょっと嬉しいかも。 あと帝,再生などその当時の大塚英志の評論(集)とか 思わず連想してしまう、この人らしい作品 (あとがきは読みようによっては多少"ッケ"って 気分にさせられるかな。嫌じゃないんだけど)。

 あと、最近ミステリづいている勢いで、気になってはいたけど 読んでない作家ってことで『法月倫太郎の冒険』(法月倫太郎)を 読んでみる。まあ面白いかな。気が向いた ら他も読むだろう、けど、ハマるまではいかいかな


 2000-05-13 

 仮設のまま1,2年位放置してたHPを今更ながら更新してみた。
 てかリニューアル。
 久しぶりすぎて 色々忘れてるのでとりあえず nifty の案内みたら member.nifty.ne.jp から homepage2.nifty.com への移行を促してる みたいなんでアドレスも変更(これを機会に一から出直しか)。

 んで、HTML(4.0) の指定わからんで調べるために検索してみたのでメモ。
 とりあえず(己にとって)よさげなのは  ホームページの作り方教室 かな(気になるトコもあるが)。
 網羅的なリファレンスとしてはzspcとかいうところの HTML(4.0)のリファレンス や別途スタイルシートの 解説リファレンス がありがたい。
 好み思惑は別としてお作法ネタとしては 好ましいHTML文書を書くための方法と考え方 とか 『優しいHTML』の書き方 とか 『テキストブラウザでも読めるページ』の作り方 とか 文法チェッカねたで あなたのページは Lynx でどう見えるか?/ jweblint とか Another HTML-lint など。
 『好ましいHTML文書を書くための方法と考え方』や『Another HTML-lint』の ページは作り手に独特な "作る過程で得た情報の開示/まとめ" みたいな面も あって読み応えあり。

とほほのWWW入門もよさそ. htmlリファレンスホームページ作成入門HTMLサポート状況一覧スタイルシート入門 などなど。 (2000-05-21追加)


 2000-05-14 

 新しいことするためにリニューアルを思ったのに、古いネタ(昔書いたもの) をどうこうしようとして時間食ってる(ドツボ)。昔書いたものなんか 忘れ捨てるか未完のままサラすのがよいんだろうなあ(馬鹿).

 ディック特集だってことで久しぶりに買ったはいいけど目を通してなかった SFマガジンを(小説読む気力ないので以外のところを)パラパラ。 あいもかわらずだなあと思う文もあるけど、とりわけ 菊地誠「今どきディックを読むこと」が涙を流す警官のようにかっこよく 良かった。自分に多少ここでのシミュラクラみたいな自覚があるんでよけいにか。 そういけば今日、小渕元首相がお亡くなりになった。この文読んだ直後 なんでちょっと虚しい気分になる。
 特集中『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』の略として『アンドロ羊』と 書かれた個所があって最初本気でなんのことか気付けず。自分の中では『電気羊』 と略すのが普通だったせいかちと違和感。


 2000-05-18 

 話のネタでポンジャンの牌の種類の話になった。 絵柄は数種類しかないと記憶してたのだけど、 他の方いわく、もっとあるという。 たしか車,船,飛行機の絵が色違いであるのみだったと記憶…… て、絵が多いのはドンジャラ等らしい。
 ポンジャン系ゲームの総称がポンジャンになっているようだ (ウォークマンやコミケとかと同様か)。
 個人的には自分が昔もってたのが車船飛行機のポンジャンで ドンジャラ等名前は知っているけれど遊んだことがなく (つうか自分が遊んだころにドンジャラはなかった)、 単純にポンジャンの絵がさし変わっただけでルールは同じと 今まで思いこんでいたのだ。 ドラえもんの主要キャラの数に多少不思議に思ってたはずだけれど。 逆に、ドンジャラしか知らない人は、ポンジャンもドンジャラ と同じようなルールだと思ってたようだ。

 でポンジャンがどんなゲームだか細かいことは、すっかり忘れている。  知っていた人間に聞いてもあやふやだ。 絵の種類と色数(赤,青,黒)は思い出せても、 全部の牌が何枚か、手元に何枚持つか、はうろ覚え。 麻雀より少ないのは、みんな覚えてるのだけど。
 気になってしかたないので netで検索しても以外と情報なし。  オンラインソフトでもほとんどないし、 あってもポンジャン系ゲーム。
 ちらっと見つけた記述からすると発売元自体が違うんだ。 商品名の違いからすればそーだわな。 ドラえもんのポンジャンとは名乗らない。
……で結局はポケットポンジャンの写真が見つかり、それ見て思いだす。 絵は 車、船、飛行機の3種に、色違いで 赤、青、黒の3種の 計9種、それがそれぞれ9個で、計81個(かな)。
そういえば同絵同色9個を揃えるのが最高役だった(と思う)。 ということは、手牌は8個だろう。頭とかは無かったということか。 他の役とかは思いだせないけれど、まあ大体の想像はつくか。 でもって点棒でなくプラスティックなコインでやりとり。 点数まではわからないけれど。
 とりあえず、気がすんだ、ということにしとこう。

 で……ドンジャラってどんなゲームだったんだろう。 ポンジャン以上に情報がない……。


 2000-05-19 

 Cマガジン購入。 特集は 『セーフティプログラミング』 『MNG』 『クロスライブラリ作成術』 。
 『セーフティプログラミング』はエラー処理の仕方についてで、標準ライブラリ関数 (printf系,scanf系,gets系等)やWindows-API等でのエラー処理の定石を紹介されたり している。
 『MNG』は画像フォーマットMNGの紹介&プログラミング。 MNG-LC仕様書の翻訳 も乗っている。
 『クラスライブラリ作成術』はWindows/Linux用のC++クラスライブラリ『M』 を作られた方の作成(二つの環境の差異の吸収)方法の紹介。

 ニュース記事みると、ホビーユース向けにワンダースワン用プログラム開発キット 発売されるらしい。 『WanderWitch』 て名で2000年夏頃2万円以下を予定か。冗談のネタにしていたことはあるけれど ほんとに出ちゃうもんなんだ。誰かががんばったんだろう(拍手)。 FX-GAみたく話のネタにしかならない(かコレクターズアイテム)としても 公式で出るってのは健全(後ろめたさがなくって)。と興味はあるけれど 自分は手をだせんだろーな(V30したくないし)。

 付録CDには今月もBorland C++5.5がまた付いている。さらに追加物増えてるし。 がんばってんなあ。 LSI-C86みたく、今後も年に何回か収録されるようになるかな(期待)。
 しかし、コマンドラインコンパイラのみを目当てでバージョンアップしてた 人間としては今年のバージョンアップは見送りかも(まよってる...まだ優待期間 有効だっけ)。
 Visual Studio の次のバージョンの紹介記事もあったけどモノ自体は 一年以上先になるのか。


 2000-05-21 

東野圭吾『浪花少年探偵団』読了(メモは専用ページのほうへ)。 プログラムとWEBページ作りにうつつをぬかしていたら むちゃくちゃ読むのに時間かかったな。


 2000-05-25 

森博嗣『夢・出逢い・魔性』。 四人が東京行って、うち三人が女子大生として出演するテレビ局で殺人事件が 起こる話。この前に読んだ森作品が『そして二人だけになった』だったせいか 連鎖的にノリがよくない.好みからはずれるだけとも。 知らない警察がおしゃべりなのが気になったり。 読解力がない性もあるだろう(でも何かだまされているような気はする)。

 何かいろいろな手違いかもだが、仕事でゲーム企画のネタだしに参加。 で自分でも嫌になるくらいつまんない こと(芽を摘むようなこと)言ってしまった。 企画のネタだしってどの程度するかわかってないくせに>オレ。 ただ、己のを含め、魅力の核(魂)になる要素が見えない/成立してない ものなあ。 作りたいゲームがある人間にすれば贅沢か、 滅びよ、と一蹴りされるか……かな。

 でもって仕事で請け負うかもしれない企画のPG見積もり作業。 以前に聞いたときはジャンルマニア向けの作品だったのが 売り要素が弱いせいかガラっと方向性が代わってる。確かに 他にないアイデアかもだが……誰が楽しめるのかな。 折角見込めてた固定客層には見向きもされないような…… 本末転倒のよう。練りすぎて煮詰まった感じに見える。 単体で弱くてもネットワークするなら元のまんまのほうが まだ需要あるのに……とか思ってるとなかなか作業進まない。


 2000-05-27 

 31歳だ。いまだに何やってんだか。
 『ドキュメント・ボトムズ -- 高橋良輔アニメの世界』をパラパラと。 ボトムズを中心(だし)に高橋監督作品のロボットもの全般を 扱っていて物語紹介とインタビューがメイン (評論(コラム)の類はちょびっと。あと表紙等のデザインがいまいち)。 個人的にはとくに五武冬史、吉川惣司インタビュー目当てで、かな。 吉川惣司氏のインタビューでは監督作『ルパンVSマモー』への言及があって ルパン観キリコ観が語られる(幸)。また"SF"担当だったみたい (ボトムズ/ガリアンのSFはよくも悪くも趣味が出ているのかな)。


 2000-05-31 

 『少年サンデー』、お母さんと一緒で弾道つい中学生って忘れてしまいますね。 かってに改造は連載100回てことでいきなり見開きカラー1Pで 逝ってくれてる……毎度妙に心地よい話だわ(なんだか)。
『月刊メロディ』は何気に目に入った表紙に"那須雪絵"。 短編読み切り。商業誌に描いてるんだ、てか、 ボーイズラブじゃなさそだし(て手法はそのままかも)。 「水妖物語」、同じ会社に就職した友達二人(♀)が川の近くの アパートを借りて住み始めるのだけれど雨も降っていないのに 水音が聞こえて……どちらかというと「雪女」系かな。さらに地味かも。 やはりお話するのが上手い人ですね。もっと作品出てほしいなあだけど (ただ、絵は、つまらなくなってるような気がする)。あとメロディの 作家陣をみてると、なんかオレってわかりやすいなあ、と納得だ。
 それと、 高橋しん『最終兵器彼女(1)』 浦沢直樹『20世紀少年(2)』 細野不二彦『ギャラリーフェイク(19)』『ビールとメガホン』 購入。当たりな作品をいっぺんに読んじゃうと、ちょっともったいない 気分。買っちゃうとまんがはすぐ読んじゃうし、だからって、このへんの 出来の作品が毎日のように読めるわけでもないし。


 2000-06-10 

最近に読んだのは漫画数冊、 『海猿6』 『ヒカルの碁7』 『残酷な神が支配する15』(買ったはいいけれど最後まで読めてない 漫画や小説とか数冊あるけれど、頭がプログラムすることに行ってる 期間は他はおざなりになるなあ…て結構Web検索はしてたような)。 読んだ順のせいかグレッグと佐為がダブる(て背後霊状態なだけとも)。 新しい男を振ってより戻そうとするナディアは 嫌な女だけれどかわいいか?てか双方本命を目の前にすると 他は目に入ってないようだし。

 同僚たちと拍子で『ナインス・ゲート』を見に行く。 映画館なんて何年振りだろう。予備知識なし。 お話はイマイチものたりない、かな (て、疲れてから見たせいか 数分単位の睡魔多発で肝心なシーン逃してそうな気もする)。 おどろおどろしくさせるカメラ視点がイッパイならば 気にならないようにも思いもするけれど。もうちょっと 描いて/凝って てほしいとか思ってしまう。パンフの監督の インタビューを読んでるとお仕事作品なんかな。
(以下ネタバレめも)  バルカンがコルソを選んだのは人殺しの犯罪をなすりつけるため、 だとしても、 魔女がコルソを選んだのは?、最後に交わって何を得る?  第六門 Death by Hanging や第九門は作中あからさまにそうだけれど パンフに載っている9枚の挿絵をみてると、 どうも9枚それぞれに対応した場面が劇中にすべてあるんだろうか? (同僚達がいってたのはこのことかな)。 第八門 Link of fate とかも顔をようみるとバルカンがコルツを 後ろから殴るシーンなワケだ。他もいくつか想像するも わからないのは全くわからない…… ただ、絵の順番通りには起こっていないよね?  あ、コルソが挿絵の通りの行動をする(しそう)だからこそ、 選ばれた、と、いう考え方もあるか?最初のcontactで一目ぼれ ってのもありだろーけれど…… どっかで、これの解答編書いているページないかなあ:-)


 2000-06-12 

明智抄『死神の惑星2』。どうしようもなく好みの作品、てか作家 なんで、ちょっと読んで1巻出たのだいぶ前で忘れてるンで 読み返したく思うも混沌の部屋からは見つからず結局読んでしまう。 幸せな、わがままな気分(やっぱもったいないか)。
この人らしいキャラ作りもあるが、 好んで使われるアイデアの組立/見せ方、 台詞回し/モノローグの妙てか視点の切替や場面転換などが心地 よいんだ。 ある種のSF小説での味わいをマンガでやってくれてる、てのもある (小説のほうが上、とか、でなく、単にマンガでは普及していない、 あるいは表現的に小説のほうが有利な、作法をあえてマンガでして いる、てだけど)。
 今回は主に鈴木エリザベートのつくられるさま。 毎度の明智抄の描く女性のズレっぷり/辛辣さは 得にSF作品ではアイデアとして大きく作用してくるよう。


 2000-06-13 

ドライブ構成が変わったのにRealSyncの設定し直すの忘れてて 一週間ほど自作プログラムのディレクトリが先祖帰りしてたのが発覚(T T). 即アップロードしたりしてたので多少被害は少ないけれど…… 消えた新規ディレクトリを思えばもっとはよきずかなあかん>オレ。

我孫子武丸『殺戮にいたる病』、やっとこ読了。ちびちびと (片道5分の電車とかで)読んでたけれど後半は一期に読み終える。 読後に書評等で○○トリックって書かれていたことを思いだしたけれど、 忘れてグロ小説として読んでたせいか大当たりだった (しかし、こういう母親嫌だな。息子のマス回数カウントするなんて…… せめて旦那のにしとけばいいのに)。


 2000-06-14 

しかくの『爺さんと僕の事件帖1』。 表紙にちょっと引かれて手に取る (で開けると誕生日が自分と一緒だった)。
ミステリファンな方なんでそね。 大きな事件を名探偵が解決するって話ではないけれど ちょいとしたことでも推理の仕方とか、 読み返して見ると何気にちゃんと伏線描いてあったり 書いてあったり。
 強面で無愛想な爺さんと 二人暮らしのかわいい男の子が身の回りで起きる(ちょっとした)事件を 爺さんに助言されながら解決する話。 爺さんは経験値高そうでお茶目でカッコよいし、 仲良し4人もかわいいけれど、 そのうちの一人の姉の明日香さんが 暴走ぎみで(いたさ加減が)よいかも。


 2000-07-16 

 一ヶ月ぶりに更新。駄目だな。納期前の忙しいときは仕事ばかりで あまり書くことないってのもあるけれど、 納期越えてるのにノホホンと"仕事せずに今日は何して遊んだ"とか をWEB日記に書きつづる(上流作業の)絵描きやらシナリオライタやらが ネックになって遅れまくった仕事にかかわったり隣のチーム がそうだったりという状況があるせいか、忙しいときは下手に 書かないほうがよいように思えてしまう (自分の仕事を止めてる奴のページって結構チェックする奴はするぞ。 で、周りに教えてくれるから。それ見てみんなで笑いながら怒り貯めたり。 インターネットで自分を隠さず書いてて仕事相手にばれてないなんて 思うほうがどうかしているんだが)。

 あと作りかけの自作ソフト&(WEB)文書を収めたハードディスクを 壊わしたり。リムーバブルにしていたのだけど、 安全を思うとケース代はケチらないほうがよいという教訓かも しれない。リムーバブルのせいで動作が不安定になっていたが (直繋ぎだと問題ないドライブがケースにすると 転送速度 mode 4に落とさないと読み書きミスる)…… ハードディスクが異音を立てたり、気がつくとドライブをOSが認識して いなかったりするのが日常になってはいけないのだな。

 読み終えた小説は、有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』、 東野圭吾『パラレルワールド・ストーリー』だけか。 『ロシア紅茶の謎』は名探偵役の犯罪社会学者 火村英生が ミステリ作家有栖川有栖を伴って事件を解決するシリーズの 短編集。『パラレルワールド・ストーリー』はよくも悪くも 東野圭吾らしいSF作品。 恋に狂った男の駄目っぷりを書くのが好きなんだろうか。 ディック系なネタなんだけれど、その手のSFとしての展開や カルタシスを求めちゃう人には物足りないだろうな。
 あと『この文庫がすごい!2000年版』はいまいちだった。

 漫画は10数冊。 浦沢直樹『MONSTER(14)』(佳境に入ってるようなまだまだ続くような)
王欣太『蒼天航路(20)』(だんだんこの腑抜けな劉備が標準に思えてくる)
山本英夫『殺し屋1(7)』(毎度痛い作品だけど今回はまだマシか)
曽田正人『昴(1)』(バレエを題材に根性モノ。悔しさが伝わってくる)
佐々木倫子『Heaven(1)』(いつもどおりか)
成田美名子『NATUAL(9)』(いい子ばかりだなあ)
紫堂恭子『癒しの葉(7)』(同じ顔が結婚しちゃってうれしかったり)
東山むつき『極上天使(5)』(最終巻。勢いの作品かな。絵は好み。雰囲気だけという
わけでないけれど、行き当たりばったりだったな)
浅田寅ヲ『QUIZ(上)』(テレビ原作もの。テレビは知らんけどマンガ自体は面白い。あたり)
飛永宏之/真保裕一『ホワイトアウト(上)』(小説原作物。好きな原作者なんで購入。まあまあかな。ただ漫画家自体に興味を引くような出来ではないなあ)
伊藤真美/大塚英志『JAPAN(2)』(後書きで『ストーカー』の元ネタはタルコフスキーとある。小説でなく映画のほうってわけだ)
富樫義博『HUNTER×HUNTER(9)』(富樫らしいテイストだけで満足なのかも)
尾田『ONE PIECE(14)』(ある意味松本零士的な男のロマンだなあ)
細野不二彦『S.O.S(1)』(ちょっと長続きしそうにないような)
その他もろもろ。


 2000-07-17 

 旭屋いって1.4Kほど散財。コンピ関係無しなのに……ハードカバーは高い。
とりあえず目通したのは、 永久保貴一『検証・四谷怪談』(文庫落ちだけど、四谷怪談と更屋敷だけでなく「実録 怪談・累ヶ淵」が追加されてる)。
六田登『千億の蟲(1)』(病院の一人娘で女医だけれど患者の生死をも賭けの対象にする恰幅の女傑の話)、 赤松健『ラブひな(8)』(ただどたばだ)、 かわぐちかいじ/福本信行『生存LifE(1)』(妻を亡くし余命半年の癌宣言され自殺しようとする男の元に14年前に行方不明になった娘の遺体発見の知らせが入る。他殺の時効まで半年。犯人を捕まえる決意をした男は娘の失踪の足取りを追う…)


 2000-07-23 

岡野玲子/パトリシア・A・マキリップ『コーリング (1~3)』は 原作が『妖女サイベルの呼び声』だと知って。ファンタジー好きでは ないのだけれど大昔に早川文庫FT1ってことで読んで妙に印象に残っている 作だったので。内容覚えてなかったけれど。漫画はその印象のまま、というか、 絵柄作風が合いすぎてるというか、すごく幸せな作品。 本の表に原作者名がないのが、出来れば原作邦題が併記されていないというのが すごく不満だけれども。

とり・みき『クレープを二度食えば』は 後書きからするとほんとに自選短編集(もちろん出版条件はあるんだろうけど)。 大原まり子本にあるけど「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」が 入ってたのでつい。表題作もアマアマなラブコメSF(主人公の名前がツライけれど:-) で、この手のアマい話が好きなんで満足。 他に自伝的な「あしたのために」とかもろもろ。
その他、 絵夢羅『Wジュリエット(1)』 高橋ツトム『鉄腕ガール(2)』 遠藤浩輝『EDEN (5)』 飛永宏之/真保裕一『ホワイトアウト(中)』 福本伸行『無頼伝 涯 (1)』 など。


 2000-08-05 

 愚痴。 やばいくらいに目先の仕事が進まない (つうかネックになる部分の解決方法が見えてこない)。 短期間での改造修正作業。 苦手仕事。人のソース読むのは苦手なのに。 とくにものを(とくに取っ掛かりを)理解するのが 人より数段遅いので短期は辛すぎる(手際が悪いん だといわれても仕方ない気もするけれど)。 同様の作業を以前にもやってて、その続編の同様の 作業なんだけれど、前作が上から下までほぼ一人か 二人のプログラマの世界だったのだけれど、 メインが変わって、今回のはプログラマの 数だけ世界がある……。 要所要所を探すのですべてを読むわけじゃないが、 それでも対象範囲が共同作業されたン十万行ある ソースってのは短期に一人で追っかけるには広い。 さらに専用のデータ群がたくさんってのもツライ (元データ、中間データ、コンバータのソース、 ゲーム本編のソースの行き来は避けたい)。 データの追加や差し替え作業しにゃならんけれど、 生成手順や限界やつじつまあわせを探すのが ソース以上に困難だものなあ。 やっぱ、 期間無かったり人のソースの尻拭い仕事は 怖すぎるので、もっと反対しよ…… コケること思えば。

 最近の読了は、 T・ハリス(菊地光訳)『羊たちの沈黙』。 今更ながらだけれどやはりおもしろかった。 映画をよく覚えてなく自信ないけれど差異も楽しめるモノのよう (8/6てわけでもないか)。 実はプロファイリングがらみとして読んだのだけれど 本にその言葉が一度も出てこなかったのには結構意外。 って状況的にこの作が売れたから裏に隠れていた一言が 浮上したんだろうと思えばいいのかな。 訓練生という設定は保険なんだろうな。 文章は訳の好みか、うまくは感じなかった。

 漫画は、 河原和音『先生!(11)』(修羅場にならなかった。ち)、 上杉可南子『Blue Blood(1)』(惰性)、 絵夢羅『Wジュリエット(2~4)』(まあまあ.けど、も一つ欠けてる感). など。


 2000-08-15 

最近の読了、やっと、有栖川有栖『スウェーデン館の謎』。 好み的に物足りなさがあるけれど火村先生で読んでるんだろうなあ>自分。 無茶はまるわけでなく連続して読もうとまでは思わないけれど もう何冊かは読むだろうと予想(予定)してしまう作家かなあ。 あと解説の前ふりの単語置換ネタには誘惑されてしまう(根性無). “人はなぜプログラマになるのか。 プログラマは職業なのか身分なのか、それとも趣味みたいなものなのか”

ビデオで『キューブ』とかいう映画を(人に便乗して)見た。 併録『エレベイテッド』(だっけ). 有名な?(カルトな?)作家なんだろうか (映像関係、疎過いんで)。 徹夜明けのクタクタで見てるうちに寝るだろうと予定してたのに 寝れんかった。ミせてくれるぅ。B級な(ホラー)SF。 正方形の箱な部屋が立体に並んでいて六方向に移動可能だけれど、部屋に よってはさまざまな罠があって殺されちゃう。 登場人物たちは、理由もわからないまま、部屋の中で目覚め、とにかく 脱出するために罠のルールを推理しながら部屋から部屋へと移動していく…… 低予算前提ぽく、 場面はほとんどキューブな部屋ばかりだし、 登場人物たちはこの手のパターンな人物像で当然のようにイザコザが発生するし、 三人称だし…… なんか設定的にはワンアイデア主体の調整放棄なバカゲー/クソゲーの趣も あるよーな。 パターンの使い方(組み合わせ方)てか(演出)技術のうまさで楽しませてくれる 途中よければすべてよしな作品かな(オチがもう少し捻る、てか、ゴマカシ/放棄 パターンでなけりゃ、もっとうれしいのだけれど)。

漫画は、 伊藤真美/大塚英志『JAPAN(3)』(結局いろんなこと詰め込んで 語るけれどミせてもらえなかった感じかな。大塚英志色が濃いんで 自分には収穫か)、
福本伸行『無頼伝 涯 (2)』(反則的にうますぎる作家だなあ。 涯(カイジもだけど)の自らの甘さを悟るシーンを積み重ねていくのは ズンとくる。頭の回転の速い連中が多いこと。 )、
椎名高志『MISTERジパング(1)』(この人もうまいものなあ)、
高橋しん『最終兵器彼女(2)』(希望的にはきっちりした設定/骨組みを 構築した上でやってくれていたらうれしいのだけれど、どうなるんだろ)、
飛永宏之/真保裕一『ホワイトアウト(下)』(出来の好みは別として 1冊の小説を'漫画化'した作品として読みやすく分かりやすい。 一概にはいえないけれど 小説一冊を漫画化するのに漫画一冊では何処かに無理がきて、 うまく端折って再構成しないと、ただのダイジェスト案内でしか なくなってしまう。 三冊という分量は作品にとって幸せだと思う。 )、
奥瀬サキ『コックリさんが通る』(もっと妖しさとか捕らえどころのなさ とかがほしい(我侭))。


 2000-08-25 

 仕事、一悶着あったが結局一部助人(スクリプトエンジン書いた 本人に新規スクリプト書いてもらう)してもらったりして、 何とか落ち着きかけ……と思ったらストップバグが今ごろでるし (元バグかどうかも不明だもんなあ)。まあ、スタッフロールに 名前追加するの端折られたので士気低かったり(ローカライズ するなら他の人してね)。

 東野圭吾『しのぶセンセにサヨナラ』読了。 『浪花少年探偵団』の続編。 気になるのは『~上京』『~復活』かな。あと表題作も。

 まんがで、松川祐里子『私を月まで連れてって』。 ありゃりゃ。竹宮恵子の名作と同名。 もち英題は FLY ME TO THE MOON. パタリロも泣くしエバゲのエンディングででも有名に なった曲なんで同じ題でもいいんだろうけれど、でも まったく同じ邦題でタイトルもモロなデザインなのは どうしても詐欺な気分。 これで出来のよいオマージュならばよいんだけれど…… 絵柄や裏表紙のあらすじにげっそりしつつ、万が一にも、 で読んでみたけれど、やっぱり印象のままの出来どまり。 あとがき等ではリリカルと叫ぶけれどタイトルへの言及は なし……。

 その他、許斐剛『テニスの王子様(1~4)』 (今のとこ、それなりにおもしろいかな。 みたパターンの塊のようなのは構わないのだけど、 それだけだとモノ足りないし読み捨て対象かな)、 中条比紗也『花さがりの君たちへ(12)』 (アメリカ帰国編。流れてるだけだなあ)。

あと、カウンタ1000超えた。ちょっとうれしい。


 2000-09-03 

 東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』読了。 後味は基本的に学生モノと同じかな。 感動的なお話でなく技モノ。 おいしかったです。

 まんがは、 かわぐちかいじ/福本信行『生存LifE(2)』(はやく次っ) はしもとみつお/西ゆうじ『ラジオの探偵』(ラジオ番組をもつかっこいいおっさんの話し) 紅林直『山靴よ疾走れ!!(1~3)』 (山岳警備隊員(遭難者救助等を行う警察官)のお話) 林光默『橋無医院(1)』(韓国の作家らしい。 絵はいかにもでいいなあ。話はあるよなないような)。 北条司『ファミリー・コンポ(13)』(好きくないけれど読ませられちゃうのだな北条司は) 浦沢直樹『20世紀少年(3)』 尾田栄一郎『ONE PIECE(15)』 たかもちげん『警察署長(1)』


 2000-09-07 

 東野圭吾『仮面山荘殺人事件』読了。 『ある閉ざされた雪の山荘で』と山荘つながりで読んでみたのだけど、 以外な食い合わせの妙で、 ささやかながら予備知識無しに偶然読む者の幸せを堪能した模様(幸)。 加賀ファンなためかバレエとかピルケースが出るだけ で喜んでたりもするが、結構、『私が~』『彼が~』『悪意』などの 路線に近いかもしれない。つうか後のあの作品この作品と片鱗を みることのできるプロトタイプ/分岐点なような。 『秘密』『パラレルワールドストーリー』と同じテーマもあるし。

まんがは、曽田正人『昴(2)』。  


 2000-09-13 

森博嗣『魔剣天翔』読了。 著者の、まんがに関する属性と、名古屋に関する属性から 初っ端に登場する各務亜樹良と名乗る女性によって 十数年前に亡くなった名古屋出身のまんが家を連想してしまう のは、そういうもんだろうと思うのだけれど、 けっこう不機嫌な気分で読みつづけるはめになってしまった (別に理由なんて、ないのだけれど)。 (以下ネタばれ含む) で習慣的に同時に、鏡明、も連想するのだけれど、今回はこれも 連想予定のうちらしい……て、 老いた画家の正体から某SF作家を連想されてしまうんですが (みりゃあ各務亜樹良のプロフィールも伏線なのね。 気づける人は先に気づいてるんだろうな)。 で、そしてそれは、名大SF研(とどっかにかいてあったような?)出身の 作家のデビュー推理小説を連想させられてしまうわけで…… あと、もしこのまま生き続けたらきっと(ある種の)名声を得たであろう 将来を有望されていたモノの死、ってのは前記の故かがみあきら を 思い出してしまうわけで…… まあタイトルが『魔界転生』のモジリなのも、今回は虚実、ってより、 身代わりの術ってわけなのでしょうか。 結局元ネタ?に対して 友好的なのか悪意なのか、 判別できない半端モンには ちと心かき乱される作品かな。
 と、書いたけれど、作品としては、 デルタからのシリーズの中では一番好みかも。 著者の持つパターンのレパートリー内なんで 驚きみたいなのはあまりないのだけれど。 たんにキャラで読んでるだけなんだろう>自分。 やな会話ばかりしやがって、なんだけれどね。

 石川賢『虚無戦記(1)~(4)』。"虎"や"MIROKU"の再録モノ とばかり思ってたら、それらと新規をごちゃまぜに再構成した 一つの作品だったので慌てて。大筋については既読のものから そう変わらないけれど、細かいセリフや場面自体は 大きな流れにそって結構かわっている模様。 正直なところ、虎にしろMIROKUにしろ、各話の 面白みみたいなものは、元の話をまず読んだほうが堪能できると 思うのだけど、一度堪能したもんにとっては、そのとき 垣間見せられたモノを主軸に添えた虚無戦記みたいなものも うれしいものだろう。もちろん、垣間見るだけだからこそ 感じられたあやふやな壮大さが、設定され直接物語られる /実体化することで幾分小さくなるのは、そういうもんと 割り切るしかないのだけれど。結構うまく再編して配置されて いるので、元作品単体とはまた別種の味わいになっている (いわゆる壮大なSFかなあ)。
かわぐちかいじ/福本信行『生存LifE(3)』。 『告白』や他の福本作品とかに比べると以外にあっさりした作品かな (最後の切り札のあたりはお話としてはツッコミたくなるような不自然な 感じが結構するけれど)。
佐藤秀峰/(小森陽一)『海猿(7)』。 いままでのお話にとりあえず区切りがついて 新展開。これも次出るのが待ち遠しい作品の一つだな。
能條純一『月下の棋士(29)』これは惰性。


 2000-09-18 

Cマガジン、先月号、今月号ともに個人的には結構タイムリーなネタで あたりの模様……といいつつ、ぜんぜん肝心の記事にはまともに目を通せて なかったりしますが^^; 10月号はとくに好みなライターさんが多い ような(特集では NEKO, 戸田浩,きだあきら,新連載で 宇治社中 )。
で今号一番驚いたのはトピックの "Watcom C/C++がオープンソース化" だったり。まだ予定で準備中みたいだし、英語苦手ゆえどのような感じの オープンソースかわかりませんが。BCC55にしろ、うれしいけれど、なんか、みな、 ヤケクソだなあ、って気もしないでもない。

 最近の読了まんがは、矢上祐『エルフを狩るモノたち(1)~(14)』 (話のずらし方/はずし方が好みなのかも。しかし、これにしろEATMAN,トライガン しろ大当たりというわけでないけれど、結構ツボな作品がある時期アニメになって ったってわけだよなあ、全然見てないってのはもったいないかな?)。 米原秀幸『フル・ア・ヘッド・ココ(18)』(もうちょっと早く進んでほしいと 思ったり)。


 2000-09-26 

 遅い夏休みをいただきせっかくの連休だったのに、結局予定の4分の1もしないで おわりそ。ま、そんなものだが。ちょっとはページの修正できたんでよしか、 ってリンク集手つけると無茶手間食うたなあ、やっぱし。

『ザ翻訳インターネットv5』を購入。もっと早く翻訳ソフト手に 入れるんだったと思う。テキスト翻訳が出来ればいいや、だったんだけど、 以外にWEBページ翻訳って面白い。なんとなくだけど。英日利用がメインだけれど 自分のページを英訳にかけてみるのも。
 しかしちょっと使っただけで欲でますね。テキストだけれど、なんか翻訳 範囲を指定するマクロとかないかしら。C/C++ソースの、コメントや文字列の 中身のみ日本語に訳すような指定/モードがほしいと思ってしまう。 高い奴とかなら、あるのかなあ?

 最近の読了。
東野圭吾『怪笑小説』。短編集。笑い、て、より毒っけのあるニヤついた気分に なる。 これに限らずこの人のSF系作品を読むと、どうも日本SF作家第一世代を連想して しまう(悪い意味じゃないです)。語り草はやさしいんだけれど、きっついこと いう人なのね。とくに、あとがきの教師にまつわる話とか。 (受手側にとっての重大さに気づかずに) 無意識の差別/軽い気持ちで相手を傷つけてしまう者や、自分の甘い考えに気づいて いない者に対して、感情とは別の判断基準でもって冷たい眼差しを送っているよう。 で、このエピソードのあとに、“そのおじさんのことを思い出すと、今もとても 懐かしい気分になれる”なんてこというんだから、人が悪い。
(自身に腹を立てたとエピソードを思うと、ものを考えて読まない(相手の 気持ちを想像しない)読者に対しても何某かの感情もたれているのは確かだろう、 と益々思ってしまう)

笹本祐一『天使の非常手段 RIO (1)』。読み終わって、あとがき読むまで、 出し直しって気づかんかった……てRIOは読んでなかったし、全面改稿ってことで やはり今の作品になっているんだろう。 いつものロケット系の作品よりかはいかがわしくSFかも?。 なんとなく初めて『ニューロマンサー』を読んだときと同様の気分を 思い出してしまった。いや、いわゆるサイバーパンクらしさ、 とかじゃなくて、その前提/前段階の現代と先端技術を無視せず 反映していくスタイルや構築されかたみたいなのが。 でも十ン年たって書かれてもやっぱりこの世界イメージなんかなあ、と 思ってたら 10年前の作品だったんで、拍子抜け、てか、安心したかも。 ようは、十ン年前の流行なんだよな。でもこの流行が好きなんだ>オレ。 自身の出生を知るために行動ってのは、基本かな。 この巻のラストのオチは、ここだけで終わるとよくあるパターンで、 どっちかってと"逃げ"に感じちゃうんで、続いてくれそうで、よし、と。

まんがは、吉野朔美『グールドを聴きながら』 (なんでこうゆう話を描きつづけられるんでしょうね)。 絵夢羅『Wジュリエット(5)』(正直、出すキャラの配置を誤ってるなあ、 間違った道を歩んでしまってるなあ、って気がますます。 うまくざあとらしさを……てか、 毎度、素(男)に戻りすぎてるのがよくないんだな。 せっかくの入れ替わりカップルである制限が ゆるすぎてハラハラできないのね。って、 そもそも最初からお相手の性別がわかってること事態がハンデかな)、 日高万理『世界でいちばん大嫌い(9)』(みないい奴なのんね)


 2000-09-30 

最近読んだもの。 上遠野浩平『ぼくらは虚空に夜を視る』(ちょっとネタばれかな) メガゾーン23で始まってマクロス7する話……っていいぐさはよくないか。 最初はイマイチとか思いつつ(ブギーポップだって1巻は イマイチだったわけだし、とか思い出しながら)、読み終えてみれば結構 (てか悔しいくらい)好みの要素を持ったSFのよう。イマイチなところも 結構あるんだけれど、 考え方とか認識とかSFの好みが良くも悪くも。 ブギーポップにしてもディックを連想しちゃうとこがあるのは自分の 問題だけれども死の迷宮に入ってしまうのかなあ。 お話は主人公な 少年が活躍するオーソドックスなものだけれど (ガキ以外の登場人物がささやかにしか出てこないのがつまんないといえば つまんないか)。

まんが 篠崎佳久子,安武わたる,河名なおこ,北川玲子/原作 高橋克彦『おそれ』(ホラー短編集。 表題作が一番小話として整ってるような気はする)。 長田ノオト/江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』( 実は原作読んだことないんですが^^;、 他のノオト作品と変わらないけれどこういうもんなのかな乱歩って)。


 2000-10-01 

永野護『ファイブスター物語X』忘れたころに出る本の一つだよなあ。読み始めても どこからの続きだか思い出せない(てか続きだったのだろうか、唐突なのか、前の巻みあたらんし)。 すうっごい設定のインフレはいつまでも続くんですねえ(いや、うれしいんです)。 久しぶりのご登場の、てか、約束されてた?出会いのシーンは、唐突だったので かなり喜んでます。

細野不二彦『ギャラリーフェイク(20)』。毎度どおりかな。 いいのもあれば、へっぽこなのも。 話は普通だけれど、フジタの過去がちょっと出てくるのはめずらしいか。 あと最後の話のラストは子供がいるのでちょっと……いや二人の ダメ男話か。


 2000-10-07 

堤芳貞/大塚英志『東京ミカエル(上/下)』。 封鎖された東京に閉じ込められ 定期的に殺しにくる教師に怯えながら 生きる17才の記憶を無くした少年少女たち…… 半端で破綻した設定を救うだけの 他の何かがあるわけでなく (キャラ立ちとか) ありがちでなんとなくの 雰囲気だけしかない、駄作(オレにとっては)。 堤芳貞の絵が好み、とか、 大塚英志作品の一環として 据える向きにしか用はないだろう。 もし、このレベルの原作を大量生産していたならば 嫌がられても仕方ない面もなくもないかなあ、と思う。 私怨のこもったあとがきでの、嫌っていた編集者って のはそういうレベルの話ではないんだろうけど。
大塚英志原作の漫画は何冊か買っているけれど 結構あたりはずれがあると思う。作品ごとに 原作者としての比重もまちまちだろうけれど (編集者/裏方的なのもあれば彼の作品としか いいようのないものとか)、 お話をすること自体はあまりうまくない んじゃないかなあ、って、気がしてる (いや、サイコからは、水を得た魚人のような気もするけど。 芸風は広くないのではと)。 チームを組む相手との相性なんかも あるんでしょうが。

その他。
村枝賢一『RED(5)』(かもしかは駄目だったけど、 こっちは無茶よいなあ。カッコいい男たちが描かれていると 弱いってのもあるが)、津田雅美『彼氏彼女の事情(10)』 (それなりだけど、惰性。あとがきはただのおばさん)。


 2000-10-13 

小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(9)』 消えていく左為はヒカルの成長憚の証なんだろう、かな。 でもって塔矢アキラの未熟っぷりがいいんだろうなあ。
その他、 吉村明美『海よりも深く(6)』、 許斐剛『テニスの王子様(5)』


 2000-10-29 

笹本祐一『星のパイロット(4) ブループラネット』。 今回はパイロット連中は端役。 スー(&マリオ)が主役の話……かわいい。
だんだん(緩やかなようで激しく)風呂敷が広がって いくのは心地よいなあ。一作ごとに現代が未来に置き換 わっていくんだ。いかに未来を前借するかってのが ある種のSFの醍醐味なんだろー。 将軍の話でなぜか『ご冗談でしょうファインマンさん』を 連想してしまったのだけど、かっこいい軍人さんの描き方 の一つなんだろう。 あと圧縮関係が気になってしまうのは プログラマの性てか趣味の問題か。

 高橋ツトム『鉄腕ガール(3)』。男がカッコイイと評価甘くなるなあ>オレ。 ラストみたいなのを描かれると弱いです。 "なんか今生の別れみたいだな" "特攻に行く男を見送るみたいだぞ"。誰かを見送ったんだろうなあ。 (しかし、ちょうど自分のジイさんバアさんの年代くらいなんだな)。

その他、唯登詩樹『かごめかごめ(2)』、 紅林直『山靴よ疾走れ!!(4)』、 安永航一郎『火星人刑事(4)』、 おかざき真理/一色伸幸『彼女が死んじゃった。(1)』

 職場の近くにインターネットカフェ/コミック図書館な 店があったので寄り道。品揃えはいまいち、かな……とりあえず、 永井壕『デビルマンレディ(1~10)』、 いつもどこかにデビルマン、てか永遠に不動明と飛鳥了の 話を語るのでしょうか、同じことを繰り返すジンメン/シレーヌ はよくも悪くも。すごくはないけれど面白いかな。


 2000-11-03 

 大塚英志『冬の教室』。あとがきからすると白倉由美の朗読作品 のノベライズ、とのこと。(小説は)ノベライズでしか書かないらしい (もっとも今のところ自身が企画/原作のコミックが元だけれど)。 どちらかというと、あとがき目当てで購入。とくに今回のは珍しく 時系列に沿って(軽く)自身の回顧録的なことを記述されてて、 徳間で(アルバイト)編集者をしていたころの話とかがある (担当編集者のことを書くための前振りなんだけれど)。 “『リュウ』が『少年キャプテン』に衣替えした”と表現されてて やっぱりそうなんだようなあ、今更ながら思ったり (作家の重なり具合とか、リュウとダブってたわけだし…… 雑誌末の目次の下に大塚英志の名前をみて喜んでいたり^^;)。 『ブリッコ』の(編集長の)話はたまにあるけれど『リュウ』への 言及はめずらしいんで結構うれしい。
 内容については、  落とすつもりだったとか、3日で書いた、とか、書かれると さすがにあまり気持ちいいものではないけれど、 期待せずに読んだせいか、思ったよりも楽しめた。 パターンについ体が反応しちゃうってだけかもしれないけど。 評論とかやられている方なんで ついあざとく感じちゃうところはこまごまとあるけれど。 『東京ミカエル』と設定を共有していて慣れてきたのか この作品ではまあ許容範囲に感じている……いや (『東京ミカエル』や『JAPAN』に比べれば)おとなしい 主人公や、今回の文体やお話のトーン/雰囲気から設定が あまり気にならない状態になっているのかな。 小道具/小ネタは大塚英志色って感じなので、結局どうだって 楽しんでるのかもしれないけれど。 ただ大江公彦は、なんだか無理やり拘られているようにみえ、 自分には、どうでもいいな、って思う (室戸文明のような魅力はないんだよなあ)。

 浦沢直樹『MONSTER (15)』は、 大詰めに向かいつつある、でいいんかな。 連続ドラマのメリットを生かして丁寧に作りこんでて 相変わらず達者な出来。 男がかっこいいよなあ(ってこればっかだな>オレ)。 恋人の話や母親の話、 “あなた、毎日、毎日、アル中のお母さんを、家まで背負って 連れて帰った。そうでしょ?いつもお母さんは、あなたに言ってた ……ここに置いていってくれって!!それでもあなたは、毎日 お母さんを背負って帰った。でもあの晩……” “そうですよね、あなたはお母さんを置いてきちゃったんだ。 翌日、警官がやってきてお母さんが凍死したって報告した。 でもその時、あなたは思ったんだ……僕は悪くない、 お母さんが置いてってくれって頼んだからそうしたんだって!!” で後悔を積み重ねた男ができちゃうんですね (置き去りにするのが母親だから分かりやすいけれど、 これが赤の他人だったり、あるいは、ちょっと代えて、 クライアントや上司の言うとおりに、或いは誰が決定しているか わからないまま、このまま作っても売れないシロモノに なると思いつつ作りつづけて、やっぱり売れなかった、っと なったり/なりそうなときに一作業員はどう思う、かな)。

 その他、井上雄彦『バガボンド(8)』、 能條純一『月下の棋士(30)』


 2000-11-09 

浅田寅ヲ/相内美生・飯野陽子・関えり香『QUIZ(下)』。 面白かったけれどマセガキ集団は食傷ぎみってか ガキに凄みを持たせようとするならそれなりに描いて くれなきゃつまんないのだった。中年男とかなら それなりの設定と仕草があれば間にあいやすいのだけれど。 でも面白かったから、浅田寅ヲのを他にもあるなら見かけたら 買っちゃうだろう。

その他、 田島昭宇/大塚英志『多重人格探偵サイコ(6)』 (以外と終わりに近づいているのか?)、 富樫義博『HUNTER×HUNTER(10)』、 SUEZEN『しんせいかつ』、 赤松健『ラブひな(9)』

 しかし、忙しいと時間がたつのがはやすぎる(T T). 世間に何起こってるかわかんないし……で、飯屋で久しぶりに新聞みたら 旧石器発掘ねつ造なんて楽しいことが発覚してたんですね。 ばれて楽しい反面、嘘は墓まで抱いていってほしかったとも。 どんなマガイものでも信じる人が信じ続ける限り、でもって 声がでかければ無視できなくなるもんだし (でも、こうゆうのは(法律的?な)犯罪にはならんのかいなあ)。


 2000-11-20 

 仕事がちょっと一息状態でひさびさ(4週間ぶりか)の休日。 思えば今年5回目のマスターアップだわ…って 戻しがあるだろうけどね。今回のはヘルプで入った だけだから承認おりるまで付き合う必要はなさそう だけれど(他もWinの小間物だったり海外版やら 廉価版の下請作業だったりするけれど)、 毎度のことながらマスターアップ作業は面倒くさいなあ。
 しかしヘルプとはいえ1~2ヶ月どっぷりと時間的にも 内容的にもプログラム作業するはめになったのに スタッフロールではスペシャルサンクスに しか入れてもらえないのは哀しいなあ …名前がでるだけマシなんだけれど。 己なんかよりももっと長期にわたりヘルプに入っていた人も 一律スペシャルサンクスなんでまあそういう扱いという方針なのかも しれんが。てか、名前を出したくないってゴネてた人の巻きぞいを 食ったような気もする。

 己としては、関わった作品には作業担当者としてスタッフロールに 載りたいなあ、と思っている……てか、出来るだけ作品に関わった スタッフは関わった作業担当者としてスタッフロールに載るべきだ、 と思っている (エロゲー系だと、また事情は違ってくるだろうけど)。 自己顕示欲が強い、って のもあるけど、良くも悪くも、例えクソゲーであっても、 やったことに対して名前を出す状況にないと、前には進まんなあ、て感じる。
 ハナッから時間がなくて形になっただけでも幸いなくらいの不本意な 出来だとか、ヘルプなだけで一から作ってたらここまでヘボに作らない とか思ったとしても、恥ずかしくて名前を出したくない、とか、いうのは 許しちゃ駄目だなあ、と思う。
恥をかくべきなんだ。
で、次回に同じ過ちを犯さないよう努力する (やばいと思った要素ははやめに突っついて確認しないと)。 会社の仕事で命令されて仕方無しに担当しただけ、 クソゲーになるだろうなあと思いつつ 言われる通り作ってるだけ、ってんなら恥をかいても当然だろ。
 って、普通スタッフロールすべてをマトモに見ないだろうし、 有名人や知り合い、重要な役割の人ならともかく、末端の作業員の 名前なんて気にするもんでもないので、気構えの問題でしか ないんだけれど。
(と、これは以前からの積もっていった考えなだけで、 今回関わった作品についてではないっす。今回かかわったのは 結構よさげな作品かもなんで、ぜひ名前をだしたかったなあ、と:-)



 最近読んだもの。


 大塚英志『物語の体操 みるみる小説が書ける6つのレッスン』

副題には小説とあるけれど、小説に限らず、マンガやゲーム等 物語る作品を作ってみたい者には一読の価値のある本、かな。 著者が、専門学校で(1年のみか2,3年なのかはわからないけれど. 11/26追:他の本に2年とあった) 教えたときの教育方法を元に雑誌連載したものを単行本化した もののよう。

 本気で小説を書きたい、と思っているのならば、額面通り、 ここで示された課題をこなすというのは結構効果がありそうに思える。

コンピュータ書籍で例えると、アルゴリズムや作法の入門書、に 分類されるような本かな。あるいはデザインパターンとか。
 文章の書き方の類の解説ではなく、『おはなし』の作り方、 に関するノウハウが書かれている。

目次は

  • 本当は誰にでも小説は書けるということ
  • とりあえず『盗作』してみよう
  • 方程式でプロットがみるみる作れる
  • 村上龍になりきって小説を書く
  • 『行きて帰りし物語』に身を委ね『主題』の訪れを待つ
  • つげ義春をノベライズして、日本の近代文学史を追体験する
で、まあこの著者の他の本を読んでいたら以前に見かけている題材だし なんとなく内容は連想できるのかも。

 ぱくり/著作権に関する考え方やノウハウ公開は、結構プログラマ的、てか、 ソースを公開するソフトウェア(配布)作者と共通な面があるように 思う。
 こんなノウハウを公開しちゃっていいの、って 思える面もあるのだけれど、一部を除いた 大半の、 小説家/マンガ家になりたい、とか、ゲーム職につきたい、 と思うけれど思うだけの人は、なんぼ有用な 上達方法を示したところで 面倒な練習をせーへんので いつまでたっても思うだけの人で終わるのだなあ。 もっと楽な方法はないかって。 まあ、スタート地点にも立てない人は敵でないのである(たぶん)。

 結局、今までの書評にしろ評論にしろ、編集者/マンガ原作者として 実績するための研究過程や成果として書かれているんだろうなあ。 てか、そういう作り手の視点がどこかにあるからこそ面白いのだけれど。



阿部広樹『超クソゲー外伝 企画屋稼業』。 著者はクソゲーハンターABCな方(だよな?)。 企画書の書き方の話や実際の (お蔵入りした)企画書/仕様書、また各種ゴシックをちりばめた ゲーム企画に関するノウハウ本。
内容的/スタイル的に万人受けじゃないでしょう。 でも、内容はごっつうありがたい。ほんま。 自分が企画書を書くことはないだろうけれど、 渡されて読む立場として。

コンピュータ書籍でいえば、 藤原博文 の『コの業界のオキテ』『Cプログラミング専修過程』『Cプログラミング診断室』 を足して3で割ったような本かも。癖もあるし毒っけもあるが 同時に有用なノウハウも詰まっている(誤りもあるとしても)。 そんなこと当たり前、って、言いきれる環境の方も いるだろうが、どうしようもなく低レベルな所でつまずいている 環境もあるのも事実。

 著者の昔話は、 なまじ年が近くパソコンをやり始めたころの状況が 思い起こされるだけに、サムい気分になって、無くてもいいと 思う反面、分かる人には、よくも悪くも程度の程が想像がつく ようにも思うので、あったほうがいいんだろうなあ。 少なくともプログラミングをしたことがあるって話は ちょっとした信用につながるし(スクリプトくらい弄れるよねって)。 まあ、サンプルのフローチャートがモドキや我流でなく、 まじめな書き方してるんで古参のプログラマかな、って思えてしまう面もあり。

 己の境遇が、移植だの改造手直しだのの仕事が多いせいか妙に共感しちまう、 ってるんで、この本に対しちょっと甘くなっているかもしれない。 でもまあ、競争相手になるような同じ土俵の本は早々出てきそうにも 思えないので人に(仕事関係者に)進めてみたくなる本かも。 (序文のように、机に置いてやりたい相手もいなくもないしな:-)

お気に入りの小話は、 「SFとエロ小説」、SFファンの目くそ鼻くそぶりに。 「8ビットの魔人への賛歌」、ロートルプログラマにゃ人事ではない話。 「すごいよ!外人さん」、外人に限らず刹那的な効率のためにチームワーク を悪くし全体の作業効率を落としてしまうプログラマの例として (って身に覚えがあるバカ野郎だったり>己)。

あとサンプルについてはまだようみてないので、 気が向いたら、仕事としてこの仕様書を渡されたら どう思うか、考えてみるのもいいかも……てか、 工数見積もりの練習につかえそうな気もする。



 岡島正晃、あさのまさひこ、中島伸介 『ボトムズ・アライブ』
タイトルどおりボトムズ本。 なんか資料的なストーリーと、インタビューからなる。
作品論関係があまりないんで物足りないかなあ。
インタビューの内容については、今までに他でのインタビューで 答えられていることとあまり変わりが無いので新鮮味にはかけるかも …つうか、十数年たってる話なんで当然だけえれど。ただ、 言いまわしや表現/ニュアンスの微妙な違いってか声色の違いが あるような気はする。成功した/(人的な問題等含め)うまくいった作品、 としての側面が強調されているような。インタビューに垣間見える アニメ製作現場ってのは、 ハナッから集団作業であることを前提と した運営/危険回避が考慮されているもんだよなあ、っで興味。 (個人/小規模から出発している弱小ソフトハウスのゲームの現場を思うと……)
あとタカラで1/24スケールのスコープドックを作成された方への インタビューが秀逸。

 最近読んだマンガ。
 しかくの『爺さんと僕の事件帖(2)』。前作はまあよかったし 自分にとっては 誕生日と血液型が一緒なマンガ家ってことで買いつづける気で いたけれど、今回のはもろにツボを押されたような。 「京極夏彦って偉いよね やばそうな犯人は 逮捕される前にほぼ皆殺し 後顧の憂いを残さないって感じだな」 なんてことが言える11才の聡い少年の、それでも思慮不足に起因する 失敗で後悔を積み重ねる話で、今回は、お爺さんのほうの少年時代の 話あり。

大野安之/大塚英志『超鉄大帝テスラ(上)(下)』。 出てくる巨大ロボットにはあまり興味がいかないなあ。 作風は別として設定的には大塚英志のいつもの奴。 石森章太郎の『ギルガメッシュ』やアニメの『ガイスラッガー』 を連想してしまったのは『冬の教室』の後書きのせいだろうが、 どっちかってっと、大野安之で石川賢しましたって 感じもあり。て、もち十分に大野安之作品になっておりますが。 ドグラみたいな帝国化とか、あの終わり方からつい (編集者として石川賢/虚無戦記に何某かの影響を与えられる立場に あったんかなあと邪推してしまえることを思うと あまり同様なネタはやってほしくなかったなあと思えたり)。

たがみよしひさ/本橋信宏『UNDER GROUND(1)(2)』。 なんか久しぶりに読んだたがみよしひさ。 原作付きだけれど、ちゃんとたがみ作品。 実話をもとにしたフィクションだそうで、裏本製作から 写真雑誌『スクランブル』を創刊~廃刊するまでの話。 『なくしたピース』などの短編作品に、ままある 疲れた男たちの話に近い気分があるかな。

その他。 六田登『千億の蟲(2)』。父親と三人の息子たちの話になってきた。  堀内夏子『Boy Meets Girl~マウンドの少女~(1)』。 マツモトトモ『キス(7)』。 中条比紗也『花さがりの君たちへ(13)』。 佐藤久文/相田公平『アンファン・テリブル(1)』。 岩原裕二『クーデルカ(1)』


 2000-11-25 

買ったはいいけれど忙しくて見そこねていたDVD(て元はすでに放映済らしいけど) の『多重人格探偵サイコ(1)』を見る(もう(2)もでてるころだよなあ)。 ある意味予想通りの期待はずれなんだけれど、 期待していなかったせいか意外に堪能。 設定の変更具合や小ネタの懲り方がなんとも…… と思ったら大塚英志自身の脚本なのね。ちぇ(いや納得)。 昭和74年ってやられるとテイトな連想をついしてしまい、 こちらの昭和にはカクカワレキヒコとかがいるんかいなあ とつまらぬことを思っちまう。 誰の目にもバーコードがありそうだしぃ……笹山以外のレギュラーはとくに。 次々に宿主を乗り継いでいく二人?を見ていると、 ネタ的にはSFやホラーなんだよなあ……って、 アニメの使い方にしろモザイク掛けられた殺され方にしろ、 普通に特撮作品やん、これ(て、今ごろ気がつくか>己)。 たぶん、原作の、田島昭宇のコミックスを思えば、 客はもっと"おしゃれー"なのを期待しちゃうよなあ、と思うのだけれど、 おしゃれするのは金がかかるのだろう (だから反則技的なのを含めアイデア/頭で勝負なのかな?楽しめてるし。 たんに化粧のしかたの問題かもだけど)。 昭和(天皇)とか少女とかオタクとか のもろもろの評論で使っていた題材が結構オモテに出てきているので (己にはまあ)面白いのだけれど。 しかし、コミックスもノベルもドラマも笹山にたよりすぎなよーな気がしないでもない。

あと、 妹がツタヤで借りてきてた『池袋ウェストゲートパーク(1)~(4)』を一緒にみて……ハメられる。 よいわぁ。人気あって当然だな。キャラたちまくりに話引っ張ってくれるし画面いいし。 細かいことにも凝ってるし。 元はTVだしDVDなせいか本編でカットされた映像が入っていたのだけれど、 大半が、視聴者への情報出しすぎのシーンや、展開が予想しやすいちょっとしたシーンなど だったりする。そのシーン単体でみるともったいなく思えたりするものもあるけれど、 確かにそれらがあるよりは省かれることによって本編はタイトに仕上がっている感じ。 もちろん、そう思えるように、おまけとして入っているのだろうけれど…… つい余計なシーン/余剰な情報を入れてしまう不恰好さを示す例なのかな。

最近読んだ本は、 吉本隆明・大塚英志『だいたいで、いいじゃない。』。二人の対談本。 吉本隆明が大塚英志のネタに相槌をうつってのが基本ラインかな。 己は吉本隆明は大塚英志の本のネタでしかしらない不届きもんだし サブカルも文学もプロレスも興味ないけれど、 モノの見方が面白いんで堪能。

マンガは、 林光默『橋無医院(2)』。画面はむっちゃいいんだけれど、やっぱしお話が……。


 2000-12-03 

『池袋ウェストゲートパーク(5)(6)』、堪能。 2~7話は一種の探偵モノかな。 きちっと作られてて、題材や描き方,嘘のつき方等の バランスが好みだろう。 話の弱いところは画面で納得させられるし。 ガキどもの 素直に感情が流れるのは気持ちいいし (がんばれよ、は、あまく正直で、だからガキなんだろう)。

上遠野浩平『冥王と獣のダンス』。 わりとオーソドックスな少年少女のお話。 『ぼくらは虚空に夜を視る』と微弱に関連あり…… 『ぼくら~』を先に読むが吉かな。 何を書いても"上遠野浩平"なのかも(安心)。 奇跡使いたちは"世界の敵"とおなじやし、進化の実験ぽいし、お年寄りおらんし。 続いても続かなくてもいいような終わり方なので、やっぱり続くんかなあ。

マンガは、 高野真之/上遠野浩平『ブギーポップ・デュアル(2)』。 曽田正人『昴(3)』高橋しん『最終兵器彼女(3)』。 望月花梨『スイッチ』。 樋野まつり『とらわれの身の上(1)』。 羅川真里茂『しゃにむにGO(6)』。 上杉可南子『Blue Blood (2)』。 尾田栄一郎『ONE PIECE(16)』


 2000-12-17 

萎えてて更新わすれてる……よくないな。12/3は書いててもupしわすれてたし。 仕事は暇になってるけれど、職場的にいろいろゴタゴタしていて 心情的にはしんどいなあ、とだけメモしとこ。とりあえず。

て、かきながら、仕事ネタ・メモ。結局、マスター承認おりたのは先週。 納期延びてたせいかプログラムは安定していた分、戻しの原因は文章。 濡場(てほどでもないか)とか放送禁止用語には気をつけて、と。
念のためにと、 放送禁止用語D SPACE[放送番組基準] 等を参考にチェック、他は基本的になかったのでよかったけれど。 戻しにはなかったけれど、マスター出し前には、 特許庁特許電子図書館で 怪しそうな単語を 商標の検索 でちまちま検索してたり(他の人がだけど^^;)。 一覧がほしいいと思うけれど膨大やろし。 以外に普通に使っている言葉がちゃっかり登録されていたりして 結構うんざりだったり。もっとも 商標法第26条 商標権の効力が及ばない範囲 なんかがあるんで気にしなくてもいいような気がする……けれど、具体的にどれが よくて駄目な言葉なのかは分からんのでやっぱり嫌になるな。 商標情報に、そのような情報もついていると非常に有りがたいのだけれど無理なんかなあ。 先の [放送番組基準] に、少しだけ、そのような商品名の言い換えリストが載っている。つまり、どっかにはあるんだな。

ちなみにD SPACE ~ディレクターのお仕事~は、 元ディレクターの方のページで(多少経歴の少なさが気になるも)、 ディレクターの仕事ちょっと通で テレビ番組製作手順などのノウハウを紹介している。 門外漢なんでどの程度のものかは判別できないけれど、 チーム仕事の現場運営として納得できるように思うんで 結構よさげ(ちとは理想が入ってるだろうがまあそういうもんだし)。 (つうか自分が関わる(場末の)ゲームの仕事を思うと、 当たり前にチーム仕事になる枠組みがあるのは羨ましかったり)。


最近読んだ本。

上遠野浩平『殺竜事件』。 オビの “不死身の竜は、誰に、なぜ、いかにして刺殺された!?” というのに、ちと気分が萎えて放置してたんですが 『冥王と獣のダンス』を読んだ勢いで。 普通にジュニアノベルなのかな。ちと麻木ゆう(の月光界もの)を連想。 以外にアイデア盛りの作家って気もする。

マンガは、 獣木野生『パーム26 愛でなくXII』(伸たまき、改名。"愛でなく"の最終巻。 スタンダードティタイム的に平穏な話、 てかパーム自体のクライマックスに向けての助走のような)。 永久保貴一『新カルラ舞う!(6)』 (本編より巻末の『ジュ呪の国 勝手行』のようなもののほうが 楽しみ……てかお話が下手に思うT T)。 たがみよしひさ『NERVOUS BREAKDOWN(1~5)』文庫落ち。 貞本義行『新世紀エヴァンゲリオン(6)』。 佐藤秀峰/(小森陽一)『海猿(8)』。 五十嵐浩一『Home Sweet Home (4)』。 小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(10)』。 志水三喜郎/城アラキ『瞬のワイン(1)』。 紫堂恭子『癒しの葉(8)』。 許斐剛『テニスの王子様(6)』。 もりひのと『まぶたと胸』。 守村大『花のうた(1)』。 絵夢羅『Wジュリエット(6)』。 うたたねひろゆき/武田俊也『セラフィック・フェザー(6)』


 2000-12-24 

最近読んだ本。

野尻抱介『銀河博物誌1 ピニェルの振り子』。 博物商で有能に働く少女に一目惚れした植民地の少年が宇宙船に密航する話。 1883+119だから2年未来のお話なんだなあ。わくわく。 人間対自然(?)のお話で、 凝ったディテール/描画で 船やら生物やら星やらを描いてくれる。 心地よいSF ……こういうのが読めてうれしくてしょうがないって気分あり。 ラストの一言をいうモニカがかわいいのだった。 あと、ぶつける先が地球だったらば、宇宙怪獣扱いやろなあ。

東野圭吾『探偵ガリレオ』。 物理学助教授の湯川と刑事の草薙のコンビが活躍する、 科学をネタ/トリックにした短編集。犀川教授や火村助教授 と同系統かな。

森達也『放送禁止歌』。 ちょっと前の仕事がらみで放送禁止用語を 検索していたときに見かけた本で、気になっていたので購入。 1999/5/22に放映されたテレビ番組 『放送禁止歌~歌っているのは誰?規制するのは誰?』製作が 発端になっているらしい(未見)。
多少物足りなさはあるけれど、 『放送禁止歌』に関する情報としては、

  • 『放送禁止歌』でなく、民放連による『要注意歌謡曲一覧』であり 強制力のないガイドラインだった。
  • 要注意歌謡曲一覧に載った曲は、最後に指定されてから5年が有効期間だが、 一覧自体は 1983年で更新が止まっており、5年足しても1988年となり とうに消滅している。
  • 放送禁止歌は、放送禁止用語の入った曲だけでなく、 規制当時の世情を反映して、 描かれる心情や、性、天皇、特殊部落と関わりのある クレームがつくかもしれなさそうな曲が選ばれていた (実際にクレームがついたわけでない)。
  • 放送禁止曲が流れてしまうことがたまにあるのは、 番組製作者が放送禁止歌と知らずに使ってしまっただけの場合が多い。 流れたといってクレームがきて問題になったというわけでもない。
  • 曲にとっては、レコード会社の自主規制/レコ倫の『発売禁止歌』が ある。
  • U線は厳密には放送でないため、放送禁止歌が流れることがある。

 びっこなど放送禁止用語の入った曲は今でも一覧どうこう以前の 問題なんだろうけれど、性とか心情の類は禁止されてた曲よりも ヒドイものは後年いくらでも現れていること思えばもはや 無意味な話になっている。本では、そういった理由で とばっちりを受けてしまった曲/人をクローズアッしたりしている (というか、テレビはそういう感じだったらしい?)。

 この本の比較的大きくしめる話としては 『竹田の子守唄』/特殊部落に関する話がある

 あくまで「放送禁止歌」に拘り、特殊部落に拘り、 またテレビ製作(者)に向けての視線があって、おもしろい反面、 禁止用語や身体障害者に関しては深入りしないところは 微妙にもぞかゆい気分になるかも。
(軽くネタとして(でも何度か)触れられた、手(指)でカウント 中の画面で4の時だけモザイクを掛けたって話のほうが、 放送禁止歌より、禁止用語をただ口にするより、 よっぽど問題行為に思えたり)。

『このミステリーがすごい! 2001年版』。 ファンでもないのに、なんで買ってるんだろう>己。 って気がしないでもないけれど、ファンでないからだろう。 でも、興味引く作品紹介はなかったなあ。

最近読んだマンガ。
獣木野生(旧名 伸たまき)『ホワイト・ガーデン』。 発表年代順に並べられた短編集。 短編のすべてを収録、とオビにあるけれど、楽屋オチ/パロディ作品は 入っていない(てか、ノンカウントってことなんだろう)。 一応、パームとは関係ない独立したお話ばかりだし、 それだけでも十分な出来なんだけれど、パームを読むとパームの一部になって しまう…… 作品のテーマやキャラは、パーム出演のための予告編として機能したり あるいはパームで不幸になったキャラを救う話であったり、 同じ根のテーマの違う面を見せたりで。
個人的なお気に入りは、やっぱし「シミュレイション」と「月の猫」かな。 「月の猫」は、初めて読んだ中学生の頃はいまいちだったけれど、 年くって気がついたら好きになっていた。 「シミュレーション」の映像が完成するシーンは多少絵と雰囲気で 乗り切っている感がなくもないけれど、せつないハッピーエンドと 友達思いのワイエスが好きなんだろう。 (あと、「いつまでも君の心に」の初出は"ファントム倶楽部"だったような気が)

河原和音『先生!(12)』 (巻末の相談の受け答えが妙に気に入ったかも)。 福本伸行『無頼伝 涯 (3)』。 王欣太『蒼天航路(21)』。 志水三喜郎/城アラキ『瞬のワイン(2)』。 筑波さくら『目隠しの国(3)』


 2000-12-31 

なざか、もう年末。一年振り返ると、結構、虚しいかも……

 と。妹のところに貸し出していたマンガ350冊小説50冊ほどが 邪魔だからと、一気に戻ってくる……どないすんねん、しまう場所。 ただでさえ進まない部屋の片付けが、年内に終わらないのは決定だ。ハハ。

『ケイゾク(1~4,特別編,映画)』を今更にレンタルして見た。 『池袋~』のせいで興味わいたので。 なるほどに、おもしろくって、十分に堪能。とくにキャラがよいん。 トリックの類は大半がズサンだけど、それを誤魔化すよりも あからさまになろうと画面の気持ちよさを優先しているのかな。 ただ Beautiful Dreamer と副題のついた『ケイゾク/映画』は、 やっつけ仕事だったんか、 誰も望んでないだろー、と思える、ヒドイもの。 副題はオマージュにも免罪符にもならない。 自らの息の根を止めたかったのかなあ。

東野圭吾『むかし僕が死んだ家』。 自らの児童虐待に悩むサヤカは、小学生以前の記憶を小学生の時から なくしていたが、父の遺物により記憶を手繰ろうと思い、かっての 恋人である主人公に頼み、向かった場所にあった家を、かってそこで 起ったことを、調べることになる…… なんで、一人の作家がこうも趣向の凝ったものを 次から次へ書けちゃうんだろー、って思うのはファンの欲目だろうなあ。 他の人が変数に出来ない要素を変数にして扱える人なんだろう。

わたなべまさこ・瀧川イブ・阿武わたる/東野圭吾『捨てないで』。 東野圭吾の短編集『天使の耳』中の『捨てないで』、『鏡の中で』、 『危険な若葉』、『小さな故意の物語』をマンガ化したもの。ちと、いまいち。

衣谷遊/大塚英志『リヴァイアサン(3)』。結局、大塚英志自身が デビルマンしたいんだろうか。