6309について

凍結

 HD6309 は 1984,5年頃(?)に日立が発表した6809コンパチ MPU(CPU) で、 モトローラのMC68B09が 2MHz までだったのに対しHD63C09という 3MHz 版がありました。

 この3MHz版のHD63C09にはさらに 6809 を大幅に拡張した隠し命令が追加され ――(32ビット可能に)レジスタ増強され、またレジスタ同士の演算が行えるようになり割算等もろもろ増え―― 実質違うプログラミングになるアーキテクチャの MPU になっていました。

レジスタや命令表については

6309命令表
をみてやってください。

また、

のサイトにも、解説があるので参考になります。

 6309 の6809との互換性は、正式な仕様の範囲のみで 6809 の未定義命令/アドレッシングの類は非互換だったため、 市販ソフト等で動かなくなるプログラムがありました。

 隠し命令発覚は 1988年頃だったと思います。
パソコン通信の NIFTY の OS9フォーラム(FOS9) や NANNO-NET あたりの人々により解析されたようです。
(動かなくなったソフトを調べていて発覚したらしい・・・ 己はOh!FM誌でこれを見たときには狂喜した覚えがある^^)。

 このため現在普及している 6309 のレジスタ名やニーモニックは上記の方々によって名着けられたもので、 日立のものとは違うようです。
(が、知るすべ無し。ただvがzだったらしいというような書込がFOS9にあったと思いますが、うろ覚え)

 基本的にフリーソフトくらいしか対応することはなかったと思われますが、 OS9/6809 に関しては、Gigo氏によって6309専用に改造(リメイク)された os9/6309 native(通称osn) が発表され、また その上で動くドライバやらツールやらが os9系の人々によって改造/対応が行われその時期活発に稼動していたようです。

 マシンの改造については、FM-11が一番多かったんじゃないでしょうか。 FM-11は、改造により
 メインCPU 3MHz(元2MHz)
 サブCPU  4MHz(元2MHz) (オーバークロックですね:)
のようになって劇的に速くなりました(とくに画面は効きました)。 改造方法がネット(やI/O別冊)等に載っていて 比較的楽にできたので、結構な人が換装してたようです (もちろん己のマシンも改造してました)。

 他の09マシンの場合、改造の難度がさらに高かったり(直付けだったり) クロックアップがしずらかったりしたようです。

 HITACHI S1 も換装はできたようです。  FM-7 は換装でなく、 Z80カードの代わりに差す63C09カードがOh!FM誌に発表されていました。

 また、ソフトの問題もありました。
 FM-7系では動かなくなるゲーム等が 多そうでデメリットのほうが多いのですが、 FM11は、幸か不幸か市販ソフトのあまりなかったため、 速度アップと新しいOS でのそれまで以上に快適な環境を 得られるメリットのほうが大きかったようです。