- 2002-1-1
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とりあえず「あけましておめでとうございます」
とでも言っておこうか(なんやねん)。
と、年始とは何の関係もないが、最近ネットの検索で見つけて嬉しかったのが、
「ポイボズの部屋」
「ポイボス PART-I 脱出」ファンの方の頁なんですが、
なんと Win 用に移植されていて!、
しかも開発元の方から公開許可されている!!
公認になるいきさつの交流の記録とか、
作者 ひゃあ。えふ氏インタビューなんかもあって、
心にポイボスが刻まれている人には涙ものかもしれません。
未だに続編作成への思いがあるっていいなあ。
続きもの作品を世に出す、って意味ではある意味反面教師的な気
もするけれど、17,8年たっても続きを希望するユーザーがいるってのは、
羨ましく思う。
- 2002-1-14
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高橋しん『最終兵器彼女(7)』。
最終刊。
結局、前巻と感じは一緒。
好みの問題だわな。でもって
ものたりんかったと。
いい部分も多いし通常は好む類の作品なのに
嫌な部分が上回ってしまったかな、と。
ちせの絶対的な強さ/仕組みって何、って部分が
宙ぶらりんなまま(己にとってお約束として処理できないまま)、
最後まで来てしまったのが根元の原因かな。
ワンクッション手垢にまみれた設定でいいんだよ、
語らないカッコよさよりも、
何でも有り有り的な無意味さがつきまうよりは
(この手のバランスはSF作品によくある問題だろうけど)。
(まあ作者のあとがきや一言も余計に萎えさせられた面も多いかも)。
村枝賢一『RED(9)』。少年は強く生きる、と。
王欣太『蒼天航路(24)』。孔明ふられる。
小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(15)』。さようなら。
米原秀幸『フル・ア・ヘッド・ココ(19~24,外伝0)』。
気がつくと一年以上読んでなかったのをまとめ読み。
どんどんずれていっているような気が...ちとなんだか。
米原秀幸『チョコレートぶるーす』。
やくざの跡目の一人娘と、それを護衛するチョコレートばかり食べてる野郎の話。
- 2002-1-27
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森博嗣
『捩れ屋敷の利鈍』。
保呂草が見に行った秘宝は“メビウスの帯”状の屋敷に置かれ、
西之園萌絵との出会いにときめき、二つの死体に困る・・・
袋とじ小説。
いつものメンバはほとんどでないし代わりに萌絵がいるし、
で、登場人物的には番外編的な話ですが、後ろカバーの作品
一覧を見ると、一応、Vシリーズに入ってよう・・・て、
数えてみると8作目やん、これ。
S&Mでいえば『今はもうない』・・・わざとだよなあ
・・・ひょっとしてVも10巻までなんやろか。
[ネタバレ]
ラストの言えないこと、ってなんなのか。
やっぱ気になる。
二人の共通点を知ってる人間も誰とか。
スケボー少年との受け答えは、パームのジェームスの寿命のような
予定告知のように受け取ってしまっていたのだけど・・・
つい 2ch のスレで定説を見てしまって、ウゲゲ。
見るんじゃなかったよ。いや、非常に納得してしまったし、
いままでのもやまやが綺麗に収まるし、そういう見方をすると
今回の表紙裏の言葉もわかりやすい・・・まあ、
読みかけの本のオチばらしをされたような気分(て、そのままやん)。
ちょっとづつ、そのヒントを増やして言ってる感じなので、
回をおうごとに自力で気づける人は増えていくんやろな。
自力で気づけた人は気持ちいいやろなあ。
己の場合は、作者が最後に書くまで自力では気づけない奴だけど^^;
大塚英志『戦後民主主義のリハビリテーション』。
副題に(論壇でぼくは何を語ったか)とあり、
中身は論壇誌に書いたものを一機にまとめたもの。結構分厚い。
第1部がVoiceの連載、2部がGQの連載、本の半分を占める3部が
いろいろな評論を集めたもの。とくに第三部の文章は比較的長い
ものが多く読み応えあり。編集者としてのことや、おたく、宮崎事件、
オウム事件などなど、氏の視点/切り口で分析し読みやすく語ってくれる。
わかりやすいように思うが・・・
マンガ/ゲーム周辺の実作者としての土台が見えている人ってこともあり、
論壇やサブカル論自体には興味ない
己にもわかる言葉で語ってくれているので、気がするだけかも^^;。
口の悪そうな頑固オヤジだけど、かっこよく生きようと実行してはるので
やっぱすごいなあ、とか。でも、
おたくを巡る現状は
予め見えていた方向の一つでしかないと思うので
(置き去りにしたジュリーと同様に宮崎被告をいうわけだし)、
やっぱりなってしまった現状に嫌味の一つもいうのは
棚上げしているカッコ悪さがあるなあとか。
宮崎事件の第一審時は立場上評論しない、とされていたみたいだけれど、
あからさまにベタにお話で利用するのはいいのか、っと忘れかけていたことを
思い出してしまったり(結構安易に見えてしまいあの作品は嫌だった)とか。
読んでる最中は結構考えさせられるものもあったけど、
いざ書こうとするとロクなこと思い出せんな。
日本SF作家クラブ編『SF入門』。
未練たらしく、ついついこの手のものを買ってしまうのだけど
・・・この表紙デザインの雰囲気はわざとなんかな、
でもってこの内容、
誰を主ターゲットにしてるんでせうか、
己のように昔一時期SFMを読んでて今は見ていない奴用
と言われれば納得するのだけど、
何か一番知ってほしいと思われる層にアピールできない、てか、
拒絶してしまってるーな。自分たちで滅ぶから寄ってくるな、と。
国別のSF事情や梶尾真治/山田正紀のSFの書き方、作家による
書評など個々の話は結構楽しめたけど、
マンガはともかくライトノベルにも言及がないのは・・・。
高橋ツトム
『鉄腕ガール(8)』。大勝負決行。
“そろそろいっちゃおうか?”になき。
吉村明美『海よりも深く(9)』。
大詰めじゃないのか拍子抜け。“麒麟館”で留年したときの気分。
- 2002-2-07
-
小川一水
『導きの星I』。
若き辻本司が執政を任された惑星にはリス型の知性体が存在。
アイらしく極端に設定された3娘の目的人格A、B、Cを従えて、
コールドスリープを交えて長期にわたり
神の立場で干渉しながら(地球人に友好な種族となるよう)惑星を
発展させていこうとする・・・
SF。オー当たり。多いに幸せなのです
(村田蓮爾の絵も幸せ)。
いろいろなレベルでの小技/アイデアが色々のよう。
(誕生後のABCの反応からすりゃ彼女らは伴侶候補なシステムなんやなあ)
佐藤マコト『サトラレ(2)』。
感想は一巻のときとかわらず、面白く堪能。
サトラレって真面目な奴ばかりだよなー。
サトラレ二人が出会えば相互通信なんで、ああ、普通に
テレパシストなのれす。脳も違うし。
山田先生の言い分なんて、とくに。
国家財産として、サトラレを守るためにサトラレ同士を
あわせない、てのは、逆にサトラレ同士が分かり合う
機会をあたえない、てことでも。
一人だけ、の存在と、否応なく分かり合える相手が数人、
数十人、いる状態とでは反応は別だろし。
まあ世界はこれからだ。
獣木野生
『THE WORLD(1)』。パーム以外の新シリーズ・・・
熱血のカーターに、長髪のジェームスとサロニー容姿なアンディ、っていうと
大きく語弊だろうけど、ま、例によってテーマ?を含め別角度からみた
パームとしても。
(しかし、絵柄の幅が狭まってるような、細身ばっかし)
河原和音『先生!(15)』。まだまだ続きそ…
妖しい少年のおかげで、わかんない方向に進んでる…
と思たら最後にうむむむ。やっぱり男だ。
細野不二彦『ギャラリーフェイク(24)』。安定したシリーズ。
尾田栄一郎『ONE PIECE(22)』。国。
藤原規代『ぼくはね。』。
女装の家政夫(美人)が活躍して父子家庭に愛情があふれる話。
- 2002-2-22
-
吉川良太郎『ペロー・ザ・キャット全仕事』。
マフィアの秩序で繁栄する都市パレ・フラノで、ペローは"猫"になる手段を手に入れ
恐喝の手段に使うもすぐに足がつき・・・
大会での印象がよかったんで、ちょっと期待をもってしまってたのだけれど、
とりあえず、てか十分に堪能で一安心
(まあ端から薄口と聞いていたせいもあるだろうけど)。
ライトノベルな「重力が衰えるとき」なのも。
有藤せな/石田衣良『池袋ウエストゲートパーク(2)』。
TVと小説のちゃんぽんさは、以外にいい塩梅のような、で、それなりに面白いかも
(単純に漫画にオコしただけのつまらない作品にはなってないし)。
今市子『百鬼夜行抄(9)』。あいかわらずに
怪異な日常を送っているなあ、で、よい感じです。
主要キャラが多い分、雨柳堂よりバラエティなしなぞろえになる、てか、
節操なし。
しかし毎度、"待望の"って帯に書かれているような(で、平台に並んでるのみたら6巻から)。
高尾滋『てるてる×少年(1)』。表紙がサラシを巻いた女の子に見えてしまって^^;
やっぱりメモ。今月入ってHDDが壊れた。購入後1年。
壊れたHDDは富士通のMPG3409AT-EF(40G)で
検索するとこちらの
ような掲示板があった・・・2000年秋~01年春位生産分がやばそうで見事にその範囲だし、
生産地も細かい型も、おこった症状も、まさに(カコーンという音は嫌^^;)。
大半の個人ソースとかは別HDD(リムーバブル)にいれてたし他も
それなりにサルベージはできたので、致命傷にはならなかったけれど、それでも
サルベージ漏れとかあって結構辛い(それは己のミスやけど)。
で、もう怖いので RAID1 にした。
構成はTekram DC-200 に バラ4*2、OSもこれを機にXp。
買った後でバラはRAIDに向かないとか見かけたり、
DC-200に関する情報がほとんどなかったりで、
あわてもんな買い方だったようだけど(なんか買ったあとに雑誌に特集があったような)、
とりあえず動作してくれてる(多少、本体側にブートHDDを繋げたままRAIDから起動するのに
手間取ってしまったけれど結構らくにインストール)。
HDBENCH v3.40β6 の値(100MB)は Read:41207 Write:20406 RandomRead:15235 RandomWrite:8252
で、いいのかどうかわからないけど(あまりよいという感じではなさそ)、
安いボードなんでこんなもんなのかも
(DOSパラで税込6K位。3K位のもっと安いボードはどうなんだろ、同じようなもんかな)。
まあ自分の使い方の範囲では十分。全部で35K弱だったっけ。突発の出費でいたかったけれど、
思えばHDDの値段無茶安くなったもんだ。昔なら1台のお手ごろ値段帯だったろうし・・・
そういう時期からすればHDDのハズレ確立もあがってるでしょうね。容量は法則的に
増えていっても、メカニカルな部品の耐性なんてそう変わるもんでなくむしろ安くするために
はしょれるとこはしょってるだろうし。てことで、自衛しなきゃいけないんだろうな。
- 2002-2-24
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吉川良太郎『ボーイソプラノ』。
パレ・フラノ第二弾。期待通りに堪能。
今回の主人公は、フラノお気に入りの探偵。
ボーイソプラノの少年に行方不明になった神父を探すように頼まれるが
フラノファミリー内のゴタゴタを感じ・・・
もち猫やシモーヌ、イザベル等も相変わらずに登場でパレ・フラノは今日も平和。
林光默『橋無医院(5)』。登場人物多く何がなにやらだが、それなり
面白くなってきた・・・と思ったら、連載中断中で再開不明とのこと、むむむ。
柳澤一明/栗本薫『グイン・サーガ 七人の魔道師(2)』。
結構おもしろいよーな。
- 2002-3-18
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ふう、日がたちすぎ。
しかし、この間には、またもHDDの中身消失をやってしまったのだった。
自分ミスとはいえ、こう、続けて再構築となると、
なかなかに無気力(本業に妙な忙しさがあったりというのもあるが)。
発端は、新しい CPU(A1800+) に乗せ変えたら妙に不安定になったので、
OS の入れなおそうとしたらインストール途中で必ずリセットがかかるようになってしまう…
結論的にはおそらくノーブランドのSDRな PC133 メモリは最遅設定にしても
133 としては使えない代物だった(100だと行ける…)、ということのようなんだけど
(と思う。正直、疑い出したらなんだってきりない状態)。
しかしすぐにはメモリの駄目すぎに気づかず、まあ正式対応の M/B でないから、と、
SDRAMが使えるし安いので K7S5A を購入、とりあえず起動BIOS画面確認してから
RAIDカード差してみると、うんともすんとも言わず。で、外すと起動。
電源も悪いのか(400Wとはいえ安物だし)
…検索してるとK7S5Aもいろいろ癖/トラブルありげ…
さすがにしんどくなったので、あきれめて元のCPUとM/Bに戻すことにして、
OSインストールしなおしてみると、なぜかパーテションを区切っているはずの
HDDがなぜか1ドライブでアンフォーマット状態…おりゃ?!(T T)。
区切ってたドライブ、退避できてなかったのに…パーテション区切ってるから
osインストールには影響せんだろと、甘く考えてました。てか、
こういうヤバイことするときに2台とも繋げて、2台とも危険にさらしてたら、
せっかく RAID でミラーしてても何の値打ちもありゃせんがな>己。
ちゃんと、片肺で作業すべきだったよ(例えリビルドに数時間かかるとしても)、と、後悔(先に立たず)。
メモリ買わずに安くバージョンアップのはずが、予定外に出費しまくりだ(T T)。
と、最近の読了メモ。
小川一水
『アース・ガード −ローカル惑星防衛記−』。
宇宙を駆け巡る泥棒のガーネットは、辺境の地球が気に入り
女子高生を営んでいたが、ある日、得体の知れない男が
教室に乗り込んできて追われるはめになる。さらに、宇宙からも
ガーネットを追って刑事クレラードがやってきて……
名古屋でドタバタとSF。
浦沢直樹『MONSTER (18)』。うう、すごすぎ。堪能。
何を基準に生きているか。背中越しに謝る男。感情を知る男。憎しみよりも生を選ぶ男。母親の愛情を知りたかった男。
浦沢直樹『20世紀少年(8)』。こちらはこちらで悪趣味な未来。
高橋ツトム『鉄腕ガール(9)』。
最終巻。きっちり描ききってくれて堪能。
沙村広明『無限の住人(12)』。ガキと小娘の旅は色々色々。
どないすんねんな成り行き…だけど、それはどうでもよくて一番気になるのは槇絵さんだろー。
曽田正人『昴(8)』。わがまま娘が二人。
小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(16)』。連載どうなってるかは知らんけど、
さよならしっ放しなのは、ものすごく嬉しかったり。このまま基本的に復活せずに
成長譚になってくれるとさらに嬉しいのだけど。
志水アキ/木原浩勝『雲のグラデュアーレ(3)』。
- 2002-3-23
-
これじゃ駄目PGやん、て思うも己記念、かな、て、メモしとこ(とある私事)。
吉川良太郎『シガレット・ヴァルキリー』。
ローニン シモーヌのパレフラノ前日譚。
忍法対決で某機構(福祉,統和…)のようなギルドに
食傷気味になりつつでもヤッパリ好みなんでうれしがったり。
上遠野浩平『ビートのディシプリン SIDE1』。
フォルテッシモに任務を押し付けられたピート・ビートは、
だが自分の能力を脅かす存在/少女に出くわし調査を開始する…
今回はスキャナーかなあ、と。
タイトルから抜けちゃってるけれど、
ブギーポップ・シリーズ最新刊。
帯には、死神は現れない、となっている
(ああ、ブギーポップ自体は出ないからタイトル抜けてていいのか)。
て、死神だけじゃなく、レギュラー陣もあまり出てこなさそ。
どっちかってとすでに忘却の人々がいっぱい出てきて焦ってたり…
ただでさえ思わせぶりな書き方なため新人なのか再登場なのか^^;
(単に記憶力ないだけなんだが…読み終わってからイラスト見直すなで
緑の少年がいることに気づいてなかったり)。
酒見賢一『語り手の事情』。
語り手が語って物語はある。
ヴィクトリア朝下のとある屋敷を舞台に語られる話は、
いきなり語り手に筆卸を求める妄想少年の話、
女性になりたがる中年親父の話、
性奴隷を求める話、
語り手に求愛する男に難儀する話、で、
ゆらゆらと固まらぬ幻想風味に
事情|情事で淫猥で滑稽。
一癖二癖とあってたのし
(そういやデビュー作は後宮小説だよなあ、と改めて)。
でもって、後書きは唾を飛ばす勢いで怒涛のごとく喋ってるはる
(お父さんの一言が大きそうなのかな)。
福本伸行『賭博破戒禄カイジ(5)』。今度はパチンコ。
- 2002-3-27
-
東野圭吾
『レイクサイド』。
子供たちの中学受験のため複数組の家族が塾講師込みで別荘で合宿するなか、
主人公の愛人が殺され、妻は"私が殺した"という…
出来や落ち、後読感ともにいかにも東野圭吾らしい作品。
著者の実年齢のためか、どうも近年の話は中年なモノばかりでなんだけど、
それでも一気に読まされてしまう読みやすさはさすが
(とくに今回のは、するすると読みやすかったような)。
あと、
お気に入りに入れるほどじゃないが、
ちょっと気になった頁へのリンクメモ。
アルツハイマーとアルミとの関係確認
タッチパネルの仕組み
オープンソースソフトの脆弱性がMicrosoft製品にも影響
プロジェクト×(ぺけ) 「Σ(シグマ)計画」
シグマはどこへ消えた?
From Kangaroo Court:Camino A Los Vulgo 2000年6月20日
(美味しい話があれば"「試験で一度だけ良い成績を取れば,それで一生安泰なヤツラ」の考え方"かどうかを
考えてみれるのも…美味しい話なんぞ目の前にさえ来ないけれど^^;)
- 2002-3-31
-
「TRICK2」が終わってしまった。はよう映画を、と。
田中啓文『銀河帝国の弘法も筆の誤り』。
文庫落ち短編集で各短編ごとに解説がついている。
『このSFが読みたい2002』の表紙芸で興味をそそられて手にとったんだが、
脱力系駄洒落SF。
めいっぱい堪能。
■と。今更ながらに2001年の己の読書量を調べてみた
。
見返して思うんだが、絶対的な読書量が少ないせいか
(月平均漫画11,2冊、小説などの読物 4冊、ってとこ)、
己にとってのあたり作品の比率って結構高いよなあ、
と。
で、たとえ、
“SFの90%はクズである/世の中全てのモノの90%はクズである”
(スタージョンの法則)
だったとしても、よほどの読書家やプロでない限り、
自分が選んで読んでいる限り、
自分の読むものの 90% が(自分にとって)クズになることはないなあ、と、
ふと、思うのだった。
(例えば極上1割、上2、並5、下2、って感じかなあ、と:-)
いや、ま、選んでんだからそーだろーし、
比較の基準が違うものをごっちゃにしてモノをいっているので、
意味はないんだけど。
(出版件数が多い昨今、ジャンルに限っても年間1000冊以上
でていれば100冊のあたりがある、って話もあるか)。
□ホントに90%がクズかどうかなんて全体を把握できる存在でもないかぎり
わからんし…というと趣旨を見失っているコトになりそうですね。
90%ってのは大事なわけじゃないんだから(たぶん)。
良い出来のものと悪い出来のものがあり、一般的に悪い出来のもののほうが
多量にありそうだ、って結構な人が経験則的に思っている/感じているから、
この法則/言い回し は 支持/引用 されちゃうんだろう、で。
あるいは、ある種の受け手にとっては相対評価で、
突出している1割があれば、あとは平凡になりやすい、ってことの裏返しかもしれない。
□ちなみに、上記法則は、
“たとえクズでも、それらを含めて私はSFを愛する”
というニュアンスの元で発せられたものだったらしい。
あるいは、全ての90%がクズな状態なので、
クズばかり抽出してそれを理由にジャンルを非難するのは不当だろう、
ってことらしい。
(と以前どこかで読んだ覚えがある^^;)
で、そうと聞くと、クズと貶すために持ち出したり、
何かを評価するときに90%はクズだから見なくていい/読まなくていい、
と言い訳するためにこれを持ち出すのは、カッコ悪いよなあ、
という気もしてくるのだった(それはそれで無駄に影響されすぎ>己)。
□もひとつ蛇足。出目からすると 90%って値には、そんな根拠あるモンじゃない、だろう
(断るまでもない、か)。
経験則的なところはあるだろうけど
(これに限らず、この手の"法則"の数値ってのは...例えば、
コーディング期間とデバッグ期間の比は 4:6(あるいは2:8) とかも、ね)。
これを閾値として、実際に何か計算をしてみるってのは、
全く見当のつかない事項の、
とりあえずのお試しだったりする場合もあるだろうが、
たいてい、冗談や雑談の肴としてや話のつなぎとして、だろう。
精度よくないだろうしで、本気で一喜一憂するような値じゃないよね、と。
□……書き始めたはいいがまとまらんな^^;
まあ、自分のモノサシ次第のことなんで、
極上の出来でなかったからといって不満を多く持つのももったいないし、
はずれを引いたからといって法則を思い出してガマンする必要もないし、
と、いうことにしとこ。
□スタージョンの法則についての頁。
SFの法則
世界Aの始末書
bでも十分上にソートされるはず日記
Addendum: Sturgeon's Law
Theodore Sturgeon FAQ
- 2002-4-29
-
気が付くとまたもひと月、怠け癖がついてるなあ。
こんなときに限って珍しく己としては本読んでるよーな…
て、読み残してた東野圭吾を一気に平らげた、ってだけか。
東野圭吾
『魔球』。
投手須田武志の活躍で選抜に出た野球部だったが、
大会後、その捕手は愛犬と共に殺されて…
東野圭吾版本陣て感じかな。
東野圭吾
『天空の蜂』。
遠隔操作で自衛隊から盗み出された最新鋭のヘリは
原発の真上に滞空し、犯人たちは落とさないのを
引き換えに日本全土の原発の停止を要求する。
さらにヘリには誤って閉じ込められた幼児がおり…
原発の実情(たぶん?)に迫りながら描いたサスペンス。
著者の代表作の一つと言えそう。
真保裕一の解説もすごくいい
(なんてか、ある意味意地悪な本のような)。
東野圭吾
『名探偵の呪縛』。
「~の掟」とは別系統の味わい。
毒笑怪笑的な前作の味わいを求めると肩透かしにあうのだろう。
行って帰ってくるインナーな幻想/ファンタジーてとこか。
東野圭吾
『虹を操る少年』。
生まれたころから色に対し非常に敏感だった光瑠は
親をも不安がる天才児として育つが、高校に入ると
光を奏でる"光楽"を興し若者たちを魅了し影響していく…
ジェブナイルSF。
ライトノベル風の表紙バージョンがぜひ、ほしい。
"世界の敵"のような光楽者は
ブギーポップやイカロスの誕生日と同種の新人類憚で
のめりこめる、と同時に、それらの作品との差が、東野SFに対する
物足りなさ、という気がしないでもない。
東野圭吾
『美しき凶器』。
引退した4人のスポーツ選手達はある秘密の過去を葬り
さるため行動を起こし一旦は成功するかに見えたが
復讐に動く暗殺者を招いてしまう…
それなりに面白いのだけど、
登場人物達の我がまま具合や記述の薄さのせいで感情移入的な
のめり込みがしにくい物足りなさがあるかな。
東野圭吾
『ウィンクで乾杯』。
香子等がコンパニオンとしてパーティを終えた直後、同僚の
絵里は密室で殺されて…
時代背景と作風があっていえるともいえそだし、
東野作品にしてはめずらしく相方の芝田刑事は若いのに結構いい男のようで、
読みやすく面白いけど、軽く流してしまうタイプの作品に
なってしまっているかも。
松本清張『ゼロの焦点』。
戦後の傷が残る時代、新婚早々失踪した夫を追跡する妻の前に、
序々に彼の過去が浮かび上がってくる…
それなりに楽しむも物足りない、かな。
大原まり子『アルカイック・ステイツ』。
太陽系を統べる女王、ゾーン/悪夢のごとくの古代帝国の幻影、
太陽系を監視する組織、テロリスト、各自思惑が乱れ、
時空も身も心もお話もぐちゃぐちゃに逝ってるSF。
己のSFのモノサシは、大原まり子等が中心になるように
昔刻まれたままのようで嫌な気もなくはないが、
やっぱり凄く好みのようだ。
武田康廣
『のーてんき通信 エバンゲリオンを創った男たち』。
著者の青春記、とのこと。
なんてか非常に特殊な立場の人ような、
気になる人には非常に気になる存在に思う。
己的には、中坊のころに友達に貰ったアニメックという雑誌の、
SFの特集の中のDAICONIII OPアニメ誌上上映や
原子炉に火をくべにいくというまえふりの製作者紹介を発端に、
講座やはんぜう記、あとイデオンの特番とかが刷り込まれてるような。
“関西芸人”“怪傑のーてんき”、という非常に濃い人、と
いうイメージだったけれど、読んでみると、
最初は普通のSF小説ファンだったんだあ、て感じで
結構意外だった(て失礼な)。
もちろん、その後が普通とは違うわけなんだけど、
初めてSF大会に参加したときの感触などは共感しやすいと思う。
あと、
ゴシップ的なことが、結構あっさりと書かれちゃってるような。
岡田氏退陣の経緯はわざと感情的に記述してはるんかなあ、てとこも
あるし。
と、岡田氏のWEB頁(3/1)を見てみると自伝小説を書き始めるとある…
むー楽しみ。
- 2002-5-12
-
野尻抱介『太陽の簒奪者』。
突如太陽に創られるリングは地球の日照条件を悪くし世界は混乱する……
ファーストコンタクトSF。
いろいろと好みもあって堪能。
ただラスト頁が映える程度には人物書き込んでいてほしいと思うたり。
前回書き忘れてたマンガ等。
衣谷遊/大塚英志『リヴァイアサン(5)』。
相変わらずに、というか、新宿原子力発電所等のネタとお話のノリとの混ざり具合が、
大塚原作作品の中では一番しっくり来ているような気が。
鶴田謙二/GAINAX『まんがアベノ橋 魔法☆商店街』。表情がかわいくて。
曽我篤士/矢立肇・冨野由悠季『∀ガンダム(1~4)』。
ダイジェスト感がなくってわかりやすい。かわいいし。
土田世紀『水の中の月』。不良ガキ3匹な話。
『月球』。定時制高校の野球部の話。
富樫義博『HUNTERxHUNTER(14)』。ゲーム中。
尾田栄一郎『ONE PIECE(23)』。アラバスタ変終了。
志水三喜郎/城アラキ『瞬のワイン(5,6,7)』。完結したと思ってたら続きがでてた。
うたたねひろゆき/武田俊也『セラフィック・フェザー(7)』。もはや…。
羅川真里茂『しゃにむにGO(11)』。
中条比紗也『花さがりの君たちへ(17)』。
あと、なんとなく未整理なお気に入りから発掘リンク。
円周率3騒動 デマが発生した理由と、"見積もり"のための"3"の利用解説。こういう風に教えてもらえるなんて羨ましい。
Google の秘密 - PageRank 徹底解説 ToolBarをインストールしているのだがPageRankって結構いい加減にしか思えなかったり…
ルミノールの発光実験
放射線と正しくつきあうために
下読みの達人
君は書店員に嫌われていないか?
- 2002-5-19
-
森博嗣
『朽ちる散る落ちる』。
久しぶりに登場の女性に頼まれ、舞台は再度の超音波研究所。
あかずの地下室は密室状態で・・・
Vシリーズ9巻。
オールスターキャストではないけれど、
いろいろな以前の話が絡んできて
微妙に佳境。
やっぱり次で完結してほしい、てのが個人的希望。
(前回カンニングした答えを人にいいたくなる誘惑はみっともないが、
結構露骨な表記が増えてるような…て、そういう見方をしてるからか)
高橋ツトム『スカイハイ(2)』。
おもしろく、もっともっと永久ループできる設定なのに、あっさり完。
リンク・メモ
誤用!御用だ! 誤用されている言葉の一覧。
大阪言葉
なあばすぶれいくだうん
調査報告(元ネタを探せ!),
SPECIAL REPORT 元ネタ
『究極超人あ~る』元ネタ・リスト
- 2002-5-27
-
ぼけーとしててもまた一つ年をとるのだった。
遠藤浩輝『EDEN(7)』。
今頃やっと面白いと感じる。
河原和音『先生!(16)』。いい少年。
吉村明美『海よりも深く(10)』。
完。よかった(続かなくて)。ハッピーエンド。
曽我篤士/矢立肇・冨野由悠季『∀ガンダム(5)』。
完。
(しかたないのだろうけど)終わりのほうは散漫というかごちゃごちゃ
した展開だけど、うまくまとまっていて結構気に入ってしまう。
おかげで、途中で見なくなってたテレビシリーズをビデオ借りて見始めたり
(ロランとディアナ様かわいい)、
冨野由悠季『∀の癒し』を読んだり・・・
癒される対象は読者でなく作者、ってことで
自白本。
でもって癒されてないような(癒され始めた途中なんだろうけど...
直ってたらこんな本になってないものな)。
リンク・メモ
現代の若者会話における文末表現の男女差
(データ)
たしかに“~だわ"って実際の会話では普通つかわれてないような。
- 2002-6-01
-
Open Watcom、
久しぶりに見に行くとソースが公開されていた(downloadのとこに)。
のんびりと、だけど、前進はしている感じでせうか。
削除されたライセンス物の代わりはできていないようで
(11.0cのソースなんかな)、先はまだまだ長そうかもだけど
。
しかしlicense.txtを翻訳ソフトにかけてみるもよーわからん。
かまわずアグリーしちまったけれど。
どなたか、訳してくれんかなあ(他力本願)。
最近の読了。
林譲治『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で… (上下)』。
コロニーが落ちた地オーストラリアでの、1年戦争終結間際の話…コンシューマ・ゲームのノベライズ。
著者目当てに。しかし、摩耶大尉か…。
安彦良和『機動戦士ガンダム the orign(1)』。
氏によるファースト・ガンダムのコミック版。懇切丁寧に描いていってます。
曽田正人『昴(9)』。わがままでばか。
細野不二彦『ギャラリーフェイク(25)』。
- 2002-6-16
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井沢元彦
『逆説の日本史(1~2)』。
出だしの、テレビ事業のCM方式を考え使い出したのは誰か、
という疑問(結論ないけど)にツカマれ、勢いで読んでしまう。
この手のジャンルにうといもんには非常に興味をそそられる書き方で
読みやすく面白い。
"和"や"怨霊信仰"を基調にした話は受け入れやすいだろう。
卑弥呼/神話時代/天皇、等が線で結ばれて世界が現れてくるのは楽しいし。
(関係ないけど十二国って環/和なんかなあ、ふと連想)。
……が、下手で読みにくくも。
週刊ポストの連載を
まとめたものらしく、同じフレーズ同じ文章がやたらと繰り返し現れる。
同じ意味のことを何度か繰り返し書くというのは意味のあることだけど、
こうコピーペーストしたような文面を散々みるのはちとシンドイ気分。
読み飛ばせるからラクってのはあるんだろうが、
1/4~半分くらいにまとめてくれてるほうが…
まあ、こういう書き方をされてる本はいくつもあるので
ある種ジャンル作法なんやろなあ
(おやじ向のビジネス書とか時代小説とか…
啓蒙としては、こういう愚鈍な方法ってやっぱり有効なんかなあ)。
また専門家を一塊としてこきおろす攻撃的な書き方は
読んでて痛快な面はあるけれど、唯でさえ人を選ぶ方法なのに
繰り返し頻度のお陰で非常に印象が悪くなる。
井沢氏の説だって断定するわりにはアレレ?/根拠は?と思えることがあるので余計に。
(聖徳太子の"徳"の字の解説を長々とやったあとに"聖"の説明が最後の数行のみ、
しかも結論の根拠が示せてないやん、ってのは…ここで思いっきり萎えてしまった)
こんな書き方だからきっと突っ込み頁があるだろう、っと検索してみたら幾つかあるある。
成ってない説もあるようだし、
書き方からチョイスして解説している説はみなマイナーなものに読めてしまうが
実は井沢氏が擁護するまでもなく普通その解釈のものもあるとか、
井沢氏が影響/引用したであろう研究者/書への言及がなく
井沢氏の独創であるかのように読めてしまうところがあるとか
(ある程度こういうのはしかたいとは思うんだが、攻撃的な面が災いするなあ。
せめて参考文献一覧にあればなんだろうけど)、
…正直、門外漢にはどれが真っ当な意見かはわかんないけれど、
こういう宇宙戦艦ヤマトのようなわかりやすさって
ちょっとは眉唾を意識するので逆説的に安全かも(なわけないか)。
参考リンク
納得できない『逆説の日本史』 2巻を中心に問題点を指摘されている。
邪馬台国大研究 諸説/研究者の紹介や各種資料などをわかりやすく示してくれている力作頁。
古代のロマン 邪馬台国を中心に日本古代史を扱っている。『魏志』倭人伝の原文などの資料もいろいろある。
邪馬台国への誘い 論考を順を追って丁寧に解説されている。
邪馬台国の会 安本美典氏主宰の会のHP。
朝鮮語を知る 朝鮮語/ハングルの入り口的な解説。
古代日本語いんちき解釈の一例とかも。
井沢元彦『逆説の日本史』その4 日本史@2ch内
逆転の日本史 逆説の日本史にボケとツッコミを入れるエッセイとのこと。
ALEXの書斎" 記紀や漢籍などをテキスト化されたものがある。
電子化された日本語テキスト リンク集
高木彬光『刺青殺人事件』。
戦後まもない頃、背中にすばらしい大蛇を背負っている刺青師の娘が
密室のバスルームで殺される。しかも胴体は行方不明…
名探偵神津恭介登場の巻。
ほんとは『バービーはなぜ殺される』の邦題の元ネタとして
『人形はなぜ殺される』を探してたんだけど見つからず、
とりあえずつなぎに読んでみたら(まあ最初ってのもあるし)
以外に堪能(て失礼な)。しかし大半が絶版ぽいかも。
ハルキ文庫のお陰で読めたって感じか。
ハルキ文庫は文庫にしては値がはるほうなんでちょっとつらいけど。
そういや、この直後によんだ「逆説の日本史」で神津恭介の名が出てきたのには
ちょっとにんまり。
殊能将之
『樒/榁』。
袋とじ小説で題の連作短編2篇を収録。
『鏡の中は日曜日』のネタバレがあるので、袋とじ、だからと初買いで読むとちょっと不幸かも。
キャラ読みなファンへのサービスな作かも。
個人的には石動が、自分が見たものの正体を知らずに過ごしてくれたほうが好みだけど、
気づいたほうがファン受けはよさそうなんかな。
(しかし袋とじ、ひょっとして皆シリーズものの途中ばかりなんだろうか……
5枚集めるのは己には無理やなあ)。
そういや、この直前によんだ「逆説の日本史」で扱われてた崇徳天皇の名が
出てきたのにはちょっとにんまり。
あずまきよひこ『あずまんが大王(4)』。完結。大阪ナイス。
そういや、これ買ったとき書店のくじ引き三等で「あずまんが大王 試供品」を貰った。
福本伸行『賭博破戒禄カイジ(6)』。気の抜けたビールは不味い。
聖悠紀
『超人ロック 星辰の門』。
ここ最近の作って会話の呼吸が福本と似てるなあ。
たまに、自分の関わったゲーム名をgoogle等で検索したりする
(発売日直後はフレッシュアイが便利だったり)。
で、ちょっと昔に関わった作品の主人公の名前が、
ジャンル有名の主人公の名前に似ていて否が応でも比較基準ができてしまい
悪い意味で期待を裏切ってるようだ、てのを見かける
……正直、その名前を知らんかった。
たぶん名付けに関わったメンツはみな知らんかったと思う。
まあ早い話そのジャンルの素人だけで企画してたわけだ^^;
(もっとも後に入ったシナリオライターの人が偶然にも
ジャンルファンの人だったおかげでかなり立ち直ったが)。
だいたい、当初の名前はある宗教団体を連想させられてしまい
己は嫌で文句たらたら仮絵にその教団の写真を使ったりして
無理やり1字を変えてもらったのだった。
で、その結果ジャンル有名な主人公もどきになってしまったのだから
世話ねえだけど、記憶通りなら全くの偶然
。
しかしシナリオの出来不出来ってアドベンチャー系ゲームではやっぱ大きいね。
絵や(PG)演出表現を増強してなんとか見栄えを良くしようとしてもどうにもならんかった代物が
ライター交代で続編を期待する人がいる程度には普通の作品になるんだから(狭い市場だけど)。
仕上がっている絵をほぼすべて使いきって組み立て直すという
尻拭いしてくれたライター氏の力量にはほんま脱帽。
キャラ立て文章ええし自分の生産量把握されてて日程組めるし。
サイト検索してて指摘されてる不備/下手が、
ライター氏の責任でなく絵を使うため仕方なく無茶/誤魔化した部分だったりすると
ほんま申し訳なく思うし
ちゃうねん といいたくなる。
- 2002-6-30
-
井沢元彦
『逆説の日本史(3)』。
なんだかんだ言っても読んでて楽しいかな。
(知識なくても突っ込めてしまいそうな…)
富野由悠季『戦争と平和』。
インタビュアに上野俊哉,
大塚英志,
サカキバラ・ゴウ
という顔ぶれの対談集。編集の大野修一と合わせて
成功した編集者3人が、
麻原と同様にサブカルまみれのビンラディンに
あきれてテロ/戦争を語るために企画したもののよう。
何か微妙にずれた感触もあるけれど、それなりにたのし。
多少、賢い弟子たちが老師匠をさらしているような雰囲気もありそうかな。
個人的には“サイバーパンクは病気である”て小見出しがなんとも。
その通りだろうけど、病んだ状態から壊れた状態から
グロテスクな建て直しを図ったのがサイバーパンクなんだしなあ、てのも。
思わず"エリスンにはポーズだったけどシャーリィにはリアルだった"
みたいなフレーズを思い出してしまう(かなりうろ覚え..てかこんなつまらんこと覚えてるのな>己)。
病んでてOKっと実も蓋も無い地平へ向かうように仕向けた人たちだと思うんだが
(少なくとも富野や大塚は)、
もちろん本人達のモノサシは健全なんだろうが、
受け手のモノサシ作りの過程に"壊す"ような影響与えてきたんだからなあ。
だからこんな本だすんだろうけど。
小林泰三『玩具修理者』。
表題はク小小なスパイスでよく出来た短編、
だけど短編集でなく長編「酔歩する男」に併録ってとこ。
こっちは素直にSFだったけど解説で無理にホラーで語るのは歪な感じがしないでもない。
有藤せな/石田衣良『池袋ウエストゲートパーク(3)』。
なかなかにたのし。
王欣太『蒼天航路(25)』。世代交代。
リンク・メモ
たのしい万葉集
大伴家持の世界,
訓読万葉集
真の『万葉集』。ネタ。万葉集は勅撰史書らしい(^^;
- 2002-7-13
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SF大会の日のよう。
一年前の予定では無茶苦茶激務の時期の予定だったのが
(神様が降りてこない監督のおかげで?)
別件の出向でこんなにのんびりペースになっているとは...
申し込んどくんだった。
と、思いつつ、来週、
引越しなんで荷造りでそれどころじゃないんだが。
で、頁書いてる暇あれば荷造りだが
封印する前に既読メモはすまさないと、で^^;。
福江純『SFアニメの科学』。
作品紹介とその中の要素について科学的な話をしてくれる。
多少ガンダムづいてたため“コロニー落し”にひかれて...で、
扱っているには他にも「トップをねらえ」や「超人ロック」などなど。
考証の結果、作品内の状況にならない場合も
他のアイデアの追加で可能性を示唆してフォローしたりで、
視点が愛情からきているので
読んでて安心です。
作品紹介に関してはどうしても
その年代の人なんだなあ、とちょっと気はづかしかったりするけれど。
高木彬光『人形はなぜ殺される』。
アマチュア魔術師が集う発表会のさなかギロチン首切りのトリックの首が消失、
そしてそれは思わぬところで発見される…
名探偵神津恭介が苦渋する難事件。
なんだかんだいっても面白かったかな。
読みなれてない甲斐性なしには
やっぱり人物とか多少しんどいのもあるけれど
(言葉使いの習慣の違いとかもあるか)、
文章も難産だったのかなって気がしないでもない。
通勤読みでの中断のタイミングのせいだけど、
挑戦状でちょこっと位は考えてみるも楽しい。
って、ぜんぜんわからないのだけど...
お話の筋で類推せず構成から絞るのはよくないわな。
佐藤マコト『サトラレ(3)』。
ワンアイデアで始まった物語だとしても
(結果的に)複数の主要キャラで
次々に紡がれる話ごとに深まり、
サトラレのいる世界は構築され、また、
変容に向けて世界は流れていっているよう。
なんか徐々とはいえ高まる期待を裏切ってくれないので
この先読むのが怖くなってるような^^;
まあ、13話での白木の心が乱れた瞬間に地の文の話者が
切り替わるのは見事だなあ、と思う反面、
安全弁なんだろうで、その範囲で期待と。
ああ、山田先生サイコー:-)。
浦沢直樹『20世紀少年(9)』。
顔見せない真の敵は浦沢の十八番だけど、
彼女にしろそれ以前の者にしろ顔見てしまったものが驚愕する
理由は後に示されるのか、ちと不安にもなってくる。
煽っただけで終わってほしくないけれど、
パイナップルアーミーみたいな場合もあるし。
太田垣康男『MOONLIGHT MILE(2,3)』。親父な男くささがいいんだろー。
村枝賢一『RED(10)』。男の嫉妬。
尾田栄一郎『ONE PIECE(24)』。松本零士的男気。
『アニメージュ魂 2002SPRING』。DVD紹介雑誌。
『戦争と平和』がらみで
ササキバラ・ゴウの富野の頁や
大塚英志の「星の声」激奨文を読みたくて。
ほんとに若者へのエールのよう。結構すがすがしいかもだけど、
よりによって 30代おたくターゲットと明言している
雑誌で語るには場違いな気も...いや、こういう雑誌を
手にとる若者を選んで語ってるのか(選民意識をくすぐるぞー)。
“消費され忘れ去られる物語”とポーズで
自らストレートに語っていることを避けてきた人には、
多少、嫉妬や後悔が混じっているような印象をうけてしまう、てのは
駄目な見方だ>己。
未見なんで書くべきじゃないだろうが、
宣伝というか夢とか希望いう部分では、アマチュアが一人で、
ってのはものすごく意味がある。
けれど、
求めているものからすると、
見れる/見ごたえのある作品が増えてほしいと願うなら、
"アマチュア"である、とか、"一人で"ってのはさして重要じゃない。
己にとっては縁のない同人ルートでなく商業ベースで作品は流れてほしいし、
無理に何もかも一人でせずとも少人数のチームでも構わないわけで...
まあ、コンピュータゲーム製作と同じ状況やん、と。
プログラム製作が不要な分、大きな不安定要素が減るわけだし。
とっとと誰かが仕事としてやり始めちゃえばすぐなような気もしてくる。
あと富野がらみでおもいだしたのでメモ。
「∀の癒し」でもそれ以前の書物でも、
実写映画の声がかからないと嘆かれているけれど、
ご自分で企画立てて売り込んではらへんのかなあ、と。
記述から受ける印象は待ってるだけ...ワナビー?
映画趣味を作品へ反映してきた上に半商業的な映画を撮った監督や
アマチュア時代にカルト的な特撮作品を撮ってた監督とは
スタート地点がずっと後方にあるように思えるんで。
リンクメモ。
- 2002-7-31
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引越しはそれなりに順調に済むも
(結局マンガや小説等千冊ほど売り捨てT T)、
ネット接続が未だ出来ず...とりあえず読了メモ(いつUpできるんだか)。
小川一水
『導きの星II』。
のっけからのロードたちの宴にくらくら、"iグラス" "B級の目的人格"等の単語ににやにや、
暗躍する星間流通企業の企みにわくわく、眠り姫にどきどき、で、
美味しいところをつまみ食いの年代記は楽しくてしかたないのでした。げっぷ。
岩井志麻子『ぼつけえ、ぎょうてえ』。
怖い、てより、うまい短編集。いや、こわいんだけど。
佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく(1,2)』。
書店の平台見るまでこの人の作品ということを知らず
ついタイトルだけ聞いて敬遠してしまっていた(偏見)。
今作もプロに生きる男達の生き様を様々に、魅力的に描いてくれてて
(誠同病院の二人とか、あの後も主人公を雇おうとするところとか)
おもしろいのですが、ますます、
なんてか『海猿』でのテーマをさらに愚直に突き進んでしまっているようで、
最初から重たく、激しく消耗しそう、です。
安彦良和『機動戦士ガンダム the orign(2)』。シャアの巻。
- 2002-8-13
-
未だネット環境復旧せず、とほほ、で、
ヒトんとこからとりあえず更新。
吉岡平『ダダダダイヤルy計画~ヤプーズトリビュート短編集~』。
タイトル見て、え!?、と思い、著者を見て、げ、と思うも、
目次見て、ああヒト科まであるや、で、
戸川純は大好きだけど吉岡平はどちらかというと…、
というあとがきA~Dに該当しない者は読書対象外なんだろー、が、読むしかなく。
ヤプーズの曲名を題にしたショートショートや短編が14編
(あとがき題と挿入歌を入れると16曲 64:28)。
まあ、基本的に喜んで楽しんだし(結構好みな曲をラインナップされりゃ)、
それなり、と思うも、出来は大半元曲に負けてるよな。
とくに、歌詞の引用率が高いものほどブザマ。
作中で歌ってるものしかJASRAC書いてないけど、その他の、
微妙にばらばらに、けれど大量に引用されている歌詞を思うと
なんか理不尽な気も、する
(料理が足りてないってか、版権モノはたいてい糞ゲー、
に通じる感じが…ってそこまでひどくはないか)。
最後のセシルカットは岡山弁でちょっとホラーで
結構よかさげだった…けど、あとがきがよくない。
同学年って、つまり主役二人は自分と彼女ってことかね(校歌だし)。
願望充足は悪くないが逝き過ぎは客には隠してくれよ、と興ざめ。
と書きつつ、第二弾やって、って気持ちもありで。
林譲治
『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079(1,2)』。
ゲームのノベライズ。このまんま映像化してよ、ってのはファンの欲目だわな。
林譲治『大日本帝国航空隊戦記(1)』。
架空戦記モノ...だが、ガンダム以上に知らない時代/歴史を改変されてもよーわからんので、
結局すべてフィクションとして読むのですね。
東野圭吾『トキオ』。
1979年、すぐカッとなる無根拠に夢見る青年(ガキ)が未来から来た息子に助けられ成長する話。
時間SF(過去に戻る理屈はないけれど、時間モノの定石みたいな感動はあるで)だけど、
どちらかというと1979年という舞台が大事でしょうか、大阪南の描写とか。
★★★★かな。東野圭吾入門的かな?
皇なつき/森博嗣『猫の三角』。
ぜいたく、って、か、これよ、これ、と思える幸せなコミック化。
絵はたしかに正直なので、微妙に今風なパソコンボディ?らしきものが気になったり。
小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(18)』。6つの外伝。
『新現実vol.1』。東浩紀&大塚英志責任編集の雑誌。
3号は出すらしい(4号目が出る条件を思えば実質全3号だろうけど)。
ここ数年の大塚英志って自分を語るなあ、ってか、
土台を晒してサンプルになろうとしてるのか、
作り手を増やそう(育てよう)と躍起になってるような…
それも
コスト意識も重要視して。
で、コレ、
なんだが、見た目、下手な同人誌、てか、ポッとでたアングラ誌てか、
シロートとがレイアウトしてるような。
なんとなくわざとな気もするけれど
(わざわざ下手に創るってことじゃなくて、
シロウトで創ったんだからシロウトのまま表に出した、みたいな。
)。
今回のは基本的に大塚と東の対談本。
気にしている事柄の、重要度の違い/ズレが多いような。
面白いけれど。
- 2002-8-31
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引越しのメリットの一つは失せモノが見つかるってことでせうかね。
読みかけだった本とか。逆に持ってるはずだけど見当たらないだけで
済ましてた本がホントに失せてたり...読まないという状態は
かわらないのに哀しいのはやっぱり物欲か。
てことで、読了もの。
川崎康宏『将軍はやってこない』。
隠密に来訪予定の将軍を迎えるはずのがなぜか町は大騒動...
双角小隊の2巻。
...どっちかってと実は苦手な主役かな。
ハイテンション・キャラだけれど、
作品全体はひたすらローテンションに鈍く響いてくれます。
それがまあ独特に心地よい、と。
狙撃兵の働きぶりのようにフヤケた皮を引っかいてくれるような感覚や
オチも例によって川崎氏らしいし。
(個人的には、現代モノが読んでみたいなあ、と思えてくるような、マスマス)
林譲治『ウロボロスの波動』。
AADD、プロジェクト指向な組織/人間関係ってのが
作者の中での一つの完成したモデルなんでせうか。
続いていく未来に期待大なんですが、
那國文明圏が続くかが不安に思えたり。
小川一水
『群青神殿』。
タイトルとフォントでファンタジー?と思うも
まっすぐに地続きな海洋SFでした。堪能。
真保裕一『ボーダーライン』。
主人公は、
旅行会社お抱えの探偵で
アメリカでトラブルに巻き込まれた日本人の手助けをしているが、
あるとき本社筋から人探しを頼まれる。事実を何か隠した依頼に
警戒するが・・・アメリカって探偵にライセンスあるんかあ、と、
出だしでつかまれる。探偵でも職業人間として描くのはオハコって
感じで堪能。
宮部みゆき『理由』。
ルポ形式で事件の周辺から細かく核心へ向かっていく意欲?作。
初めての宮部作品だけど、思ってた方向の文章とは全然違った硬質な感じで面食らう(失礼な)。
人気はなるほど、と。
CLAMP『ちょびっツ(1~6)』。
セクサロイドをパソコンと呼ぶところの感覚は好み、というか
それしかない、というか、ああ、まあ、ってかんじか。
FSSファティマといっしょで、
悲劇を生む状況のために作られたこの手の設定/世界は、
テーマの重さに比べ安易すぎて
自作自演的な不毛感が漂って、
どうでもいいって気分になっちゃうのですね。
で、まあ、その他の部分で魅了させてくれりゃいいのだけど、
途中まではそれなりに読めたものが、
お話が核心的になりだすと、結局はこの作り手の
毎度のパターンなお話運びになっちゃうようなのかも。はぁ。
浦沢直樹『20世紀少年(10)』。
ありゃりゃ、そういう顔かあ。
田島昭宇/大塚英志『多重人格探偵サイコ(8)』
天使もバーコードも。
- 2002-10-05
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マスターアップやら兄弟の結婚やらで忙しかったのは9月前半...
もう10月、なんてか、怠け癖がついてしまってるよな
。
とりあえず、9月の読了メモをいまさらに。
林譲治『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles (1,2)』。
ゲームのノベライズ...だけど、林譲治のガンダム三部作状態でせうか。まあ舞台(時期/土地)が重なるわけだし。
真保裕一『朽ちた樹々の枝の下で』。
妻を亡くしたことからそれまでの生活をすて林業に従事するようになった主人公だが、
あるとき夜明けの森で女性を助けるも病院からすぐ失踪されてしまう。しかも何者かが
彼女を追っているようで・・・ちと探偵するのがうますぎる気もしちゃうけれど、堪能。
宮部みゆき『火車』。
怪我をして休職中の捜査一課の刑事である主人公は、
亡くなった妻の従弟から失踪した婚約者を探すように頼まれる。
が追跡は簡単でなく、やがて隠れていた事件にちかずいていく・・・
うまいです。
相手を思いやる心の不在は悲劇かな。
出来る奴だけど自己中、
やさしいけれど自己中、
ってのは以外といいカップルだったのかも。
宮部みすき『魔術はささやく』。
3つの、関係なさそうに見えた女性の死亡事故が、ある接点を持ってつながって行く...
一度は選んでしまう選択や躊躇のない最後の選択は、ある意味少年の冷たさがでてて好みかな。
宮部みゆき『龍は眠る』。
台風の中、拾った少年は実は超能力者で、マンホールに落ちた幼児の事情をしってしまう……
火車や魔術より先に読み始めるもSFだったのでつい後回しに...
いや、面白いし嫌じゃないけど、林譲治や小川一水の気分が残っている状態で
読むと失望的に萎えてしまって(贅沢)...(東野のもそうだったけれど)
どうしてもお気に入りじゃないSF系は敬遠してしまうなあ。
大沢在昌/京極夏彦/宮部みゆき『大極宮』。
三人がコメント/注釈をつける形で、WEB公開している三人の各自の週刊雑記をまとめたもの。
ちょうど宮部みゆきを立て続けに読んだとこで見かけたのでつい。
けど大沢在昌は読んだこと無かったので直前に『新宿鮫』読んでみたという……
で、すっかり気分が新宿鮫に移ってしまったのだな^^;
大沢在昌『新宿鮫(I~V)』。
結構きにってしまったのか堪能中。
けど、なんてか、思ったより全然ワイルドじゃないってか、
一匹狼でもなく。いや、Iはそうかな。
でも鮫島って名前じゃなかったら、きっと蛇のごとくに言われてそうな気もする。
でもって桃井へのなつきようは犬っコロのように健気だし、
「半分、俺が作った」とかつい言ってしまうガキぽさもかわいいし。
警察組織で孤立気味といってもよき理解者達も恋人もすぐ近くにいて
帯にあるような“孤独”ではないよなあ。
(ただ後の巻ほどシロウトくさくなってくるってのは、なんだか。
専門知識のベタな会話での解説とか反応とかイマイチってのもあるし)。
森博嗣
『赤緑黒白』。
なんだかんだでVシリーズも10弾でクライマックス(希望するまでも無くで安心...クライシスではないかもだけど)。
真っ赤なペンキで塗られた死体は赤木さん、でその恋人に保呂草は事件解明を依頼され…
事件自体は普通?ですが、
Vシリーズ全体の仕掛けが解かれるのが醍醐味なんでせう。
S&M が表(A面)、V は裏(B面)って感じかな
(うる星やつらに対するご先祖様万歳、グリーンウッドに対する子猫ちゃん、みたいな...て余計意味ない比較やな)。
最初のころは拒絶反応があった各務亜樹良も結構良い感じに思えたり(慣れとは...)。
しかしなんつーか、ヘッ君のためか、やっぱり彼女が〆るのね、
自分のキャラに惚れとるんでせうか。
新海誠『星の声』。
やっとこさに廉価版で見る。
お話や世界に興味が行くほどのことはないけれど、
見れる作品だったんで、ホっ(て失礼な)。
人物画のパートは以外に少なかった、てか、
解説にもあるけど作品として成立させる工夫が多々あって
妙に好感もってしまうんだけど、
やっぱり一人で作るってのはまだまだ大変だよなあ、ての裏返しとも。
プライベート作とはいえ、
労力に見合った企画/計画を立て完成させる、ってのは労力も意志も、
並大抵のことじゃないものな(だからこそ一人で、ってのもあるか)。
そういやDC-SIMPLE2000の「ビタースイートフールズ」のOPって新海だったなあ。
山口譲司/金成陽三郎『ミステリー民俗学者八雲樹(1,2)』。
いまいち。
帯の、本格推理漫画、かどうかは別として[金田一少年の事件簿]を継承、てのはそうなのかもな。
- 2002-10-06
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そいや春先、梅田でたまに東野圭吾のフェアを
やってる書店をみかけてるような...ぱらぱらと。
ゆめぶみで紹介してたのも見かけた覚えあるから、
書店独自だけではないと思えたのだけど。
と、今更に思い出すのも単に昨日ふらっと入った書店で、
当店売り上げNo1として きっかり40冊の文庫東野作品を
平台に並べているのを見かけたモンで...壮観です。
物色してた若いあんちゃん達がちょっと羨ましいかったよ。
(自分が集めるときにこういうの出会いたかった:-)
ああと、数えてみたら文庫作品は41冊やん、
ちょっと惜しいな(新潮文庫のかな)。
小川一水
『ここほれONE ONE! (1,2)』。
地中工事を邪魔する硬い物質鉄床石。
この物質を唯一取り除くことのできる会社に
要平は家宝の地図を持って訪れるが…
地中SF(て言い方はないか^^;)。
井戸や土木業や鉱山採掘といった穴を掘る現場を舞台に
繰り広げらる。
鉱脈資源ってことじゃ、これがあって、海底神殿があるんかな。
小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(19)』。新章。
身長も伸びて幼顔から生意気盛りの顔になり
慢心な少年の気の回らなさも出てるようでワクワク。
吉田聡『てんねん(1)』。見えてしまう
チンピラな青年が、見えなくなることを望んで坊主になって
起こる悲喜劇。男のやさしさ/かっこよさだけでなく腐り具合も
描いてくれる作家だよなあ、と。
ああ、指パッチンは関係なかった。
富樫義博『HUNTERxHUNTER(15)』。まだゲーム中、てか、やっとこ準備運動終わり。
福本伸行『賭博破戒禄カイジ(7)』。リベンジへの助走。
河原和音『先生!(17)』。やっぱりな少年。
- 2002-10-27
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上遠野浩平『あなたは虚人と星に舞う』。
太陽系最外の宇宙港に取り残されたナイトウォッチのコアの少女を取り巻く話。
ナイトウォッチの3作目。
“霧間誠一”で始まるのににんまり、
“機械知性”て単語の選択ににんまり...
つうか、げげげげ、受世界と比較できてしまうんちゃうんこれ?
と今更に、大声で歓喜してしまう。
いや単なる思い込みかもだけれど、一人勝手納得なんで。
ブギーポップでも“WARNING! INSTRUMENTALITY OF MANKIND”や
アイスナインに歓喜させられちゃってたしね...
なんてか、ホンマしょーもないレベルでどうしようもなく心を捕まれてしまってまス。
と、カバーの紹介には三部作ってなってるや、これで終わりなのか...
っまナイトウォッチのコア達の話が終わったってだけで虚空牙はまた出てきそうだけれど。
ああ、あと、なんか最近に既知感があるとおもったら星の声だわ^^;
酒見賢一『陋巷に在り(7)』。医の巻。
やっとこの文庫7巻。長かった(待つ間に新刊と間違えて6巻をもう一冊かってしまってたり)。
文庫落ちで見かけたら買うという不熱心な奴だったんで、ひょっとしたら未完で中断なん?とか思ってたら(失礼)、
やっとこさ完結したんですね(てことはわざと止めてたのか)。8巻が来年2月...ううガマンするのか>己。
高橋ツトム『ブルー・ヘブン(1)』。豪華客船Blue Heavenが救助した遭難者は殺人鬼だった...
例によってちょっと凝ったコーディングの表紙。始まったとこ、って感じでやでも期待してしまいます。
尾田栄一郎『ONE PIECE(25)』。空へ。
- 2002-11-17
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『TRICK 劇場版』を見に行った。
もう安定路線てか面白さもショボさも含めてOKと
評価きめちゃってるシリーズなんで、
ダラダラとやりつづけてくれえ、って気持ちに応じてくれる出来でよし。
作風によっちゃあ、アッサリ呆気なく死んだ人々を忘れて物語が流れるとか、
そもそも話が成立してないやん、ってことに引っかかるんだが、
まあええやん、と(いや、きっちり描いてくれたほうが+やけど)。
あと「どんと来い、超常現象」(ノートだけど)を本棚に飾れて満足。
『ガンダム者 ガンダムを創った男たち』。
副題の通りの製作者インタビュー集。
未だに各人が持っているコダワリみたいなものが出てて楽し。
作り手としての気構えの最低ラインがちゃうなあ、ってのは
ヒシヒシと思うし、もろもろ触発されますね。
川崎康宏
『ガンゴースト 豚に名前がついた日』。
前巻の次の日ってことですが、すっかり忘れてますね(^^;。前回のあらすじが語られるので助かります。
のっけから復活したる前回のモンスター、“豚頭王”と思わず口にしたくなる。いじわるだなあ。
本編が、以外に王道的に大風呂敷を広げてくれてて、先が楽しみ。
落としどころはいつものセンスで堪能ですし。
藤崎慎吾『ストーンエイジCOP』。
温暖化してジャングルと化した公園やコンビニで整形|人体改造が小学生でも行える
近未来、民間業務委託でコンビニを派出所とするコンビニCOPの主人公が巻き込まれる話。
設定のバランスが悪いなあ、て気になってしかたない面もあるも、
好きなタイプの作品なんで堪能ってとこかな。
内容は明かにシリーズモノ状態で、
示された謎のうち美味しそうな部分が全然未解決のまま、
で、外見から単発モノのつもりで読んでたら、ちょっと失望だったりするけれど。
まあ、しかたないんだろうなあ…ちゃんと続いてくれれば、よし、と。
あっとイラストは浅田寅ヲ。読み終わってから、表紙の豚に気づいた^^;
大沢在昌『新宿鮫(VI)』。
浮気の巻。
聖悠紀
『超人ロック オメガ(1)』。
やっとこさ“ヤマト”と登場、当然のごとくナガトの○○○○と
なっててニンマリ(ナガト登場時はヤマトもどきに思ってしまったのも今は昔、と)。
旧年表の最後尾だった「ジュナンの子」をオーバーライト中ってとこでしょうか、
まあ、ニンバス話はつらつらつながっているしすでに旧作のほうとはかけ離れているけれども。
西川淳/蒔田光治・林誠人『TRICK THE COMIC』。
テレビをダイジェストでそのままに(てか粗悪に)漫画に落としたもの。いまいち。
しかし、ケイゾク/漫画にしろIWGPにしろ、どうして
こう元作品とはソグわないセンスの絵師を起用するんだか
(これはこれでって面も無くはないが...
なまじQUIZが浅田寅ヲなんで余計に悔しかったり^^;)。
浅田寅ヲ『スプーンマン(上)』。
舞台のせいか、以外に"伸たまき"に似た画風のような。
佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく(3)』。
派閥や院内政治と
日々戦いの現場との温度さか、
以外にすんなり戻れてるかな。
ジワジワ来そうだけれど…
王欣太『蒼天航路(26)』。医の巻。
細野不二彦『ギャラリーフェイク(26)』。ここちよく惰性。
あと、柴田昌弘「赤い牙」シリーズを読み返し。
正直あまり好きな作家じゃなかったんだよなあ、と。
この人の作風の、
一番美味しそうなカルタシスのあるシーン、ドラマとして描いてほしいシーンを
数行の地の文の解説で済ませちゃうところが、無性に安っぽく嫌だったんですね。
今読むとこれはこれで、と思えるのだけれども、それでも高く評価することは
ないなあ、っと。でもって『ブルーソネット』の最後の最後が破綻した筋を
無理やり終わらせたぽくて、ちょっと投げやりに感じたり。
キャラ的には昔それほど思わなかったせいかソネットが健気でかわいいんで
堪能なんだけれど^^;
- 2002-11-23
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『どんと来い、超常現象』、ちゃんと書店で売ってたのですね。
TRICK1/2全話を上田次郎の作文でネタわりながら紹介…ファン向け。
ソフトカバーなんで、先のノート(ハードカバー)のほうが貫禄あり、か。
堤幸彦『堤っ』。
堤幸彦監督のインタビューやら対談やら堤組スタッフ証言やらEGGの脚本やらネット公開の日記の縮図版やら。
表紙には“堤幸彦、全仕事。”とあるんですが、確かに仕事一覧はあるんだけれど…
よくあるような作品紹介とかは一切無し。
未来に向いた今を切り取ったって感じなんでせうかね。
森岡浩
『名字の謎』。
名字に関わる雑学な本。
“森岡浩之”と間違えて…ってのは嘘で、単に並んだレジの前に積まれてたのを手にとって
しまっただけなんですが(まあ"言語"つながりに見えなくもない^^;)。
結構おもしろかった。
色々な名字のルーツや難訓や面白い名字の紹介、また、
辞典等でたまに誤記や調査不足で実際には使われていない名が実在するかのように収録されている
ことがある、とか
(個人的には、芸名や筆名など実際に使われる有名な名前ってのは戸籍に登録されてなくても
無視できない存在だよなあ、と別枠で扱ってほしかったり)。
あと、佐藤/鈴木が日本で一番多い名字って言わてるのがピンときてなかったんですが、
なるほど、地域性があってどちらかというと佐藤鈴木は東日本で多く、西日本では田中や山本が多い、と。
沙村広明『無限の住人(13)』。
卍って、バカ…いや最初からそうなんだが。
でもって圧倒的な強さで一番おいしいところを奪うお姉さんは
この作品一番の反則サンだろうなあ。
波津彬子
『雨柳堂夢咄(9)』。ひさびさの空気を堪能。
やっぱりちょっとづつしか進まないけれど。
吉田聡『てんねん(2)』。男をみせる話。
- 2002-11-30
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永瀬唯『宇宙世紀科学読本 スペース・コロニーとガンダムのできるまで』
ガンダム世界の設定に絡めながら現実のパワードスーツ/ロボットや
スペースコロニー/宇宙進出に関する解説と作品事を絡めながら解説してくれる。
大塚英志『サブカルチャー反戦論』。
帯の、“戦争をしてはいけない。戦争に加担してもいけない。”、
“「現在」は「戦時下」にある。”を語ってる本。
去年末の発売だったんだなあ、なんだけど見かけたのが
つい最近なんで…
「アジビラ」のようなものだから店頭に並んだ段階で
目的の半ば達成とあとがきにあるのがちょっと悲し(みかけなかったもん、で)。
事態は継続して悪化しさらにワカりやすい状況になってるんで、
時事ネタの最中なのはかわらないけれど。
衣谷遊/大塚英志『リヴァイアサン(6)』。
気がつくと大塚原作では(評論などで使われる)いろいろなネタの詰まり具合や
お話の混沌やいい加減さが非常にしっくりくる作品になっているような。
山崎峰水/大塚英志『黒鷺死体宅配便(1,2)』。
宇宙人とチャネリング中の奴、死体を見つけちゃう奴、死体とお話できちゃう奴
等が集まって始めた商売は、死体から行きたい場所を聞いて配達するサービス業。
絵はちょっと不安定だけど、中々に楽しで結構いい印象…
なのは、大塚原作にしては主人公が暖かそうに見えるからかな。
得体のしれない連中に比べたら地についた(普通の)若者だからねえ。
安彦良和『機動戦士ガンダム the orign(3)』。
シャアもブライトも年相応に若造に見える…ええなあ。
アムロって女でしか動いてないよなあ、とあらためて思うたり。
寺沢大介『喰いタン(1)』。
料理の薀蓄で事件を解決の探偵もの。
探偵がいなくてもその状況なら本来警察だけでちゃんと
解決できてるよなあ、っと思える具合だけれど主眼は、
事件(の解決)に(料理の)薀蓄がどれだけうまく機能するか、
って感じなんでそれなりに楽しみます。
獣木野生
『THE WORLD(2)』。
(1)はイマイチのりきじゃなかったんですが、てかそのせいか、
ため息がでるほど旨すぎるなあと改めて。
二人の王、それぞれに絡んだ中篇(てか今や短編って感じか)が2本。
切なくてキレイで残酷で寓話的な話だけど、絵も言葉もしみるように
描き込まれて長すぎず短すぎず程よい感じ。
(短編でだと感動系の話は行き成りなんで鼻につきやすいこともあったんで)。
現れては退場していく男たちの扱いがなんともいいです。
相変わらずのパームキャラ出演作としても機能してるし、たぶん
(ジョゼはいいとしてシド?かなあ ※追記:ちゃんとHPにはシドってかいてるやん)。
岡野玲子/夢枕獏『陰陽師(11)』。
圧倒的筆力で世界に挑み魅せてくれます。
これもただただ溜息モノ。
児島都/綾辻行人『緋色の囁き』。
結構合ってる。
柴田昌弘の『ラブシンクロイド』を読返し。突っ込みやすいけれど以外と
まとまって終わってたんだ(紅い牙に比べちゃんと行って帰ってくる異世界譚としては)。
ただ原型である『アンドロイドシュン』のまま進めたバージョンてのも夢見てしまったり。
あと、オメガに触発されて押入れから超人ロック関係を引っ張りだして
読み返してたり。で、ぱふの聖有紀特集('81)を見てて、
“あの森博嗣さんの奥様です”という一文が目に入ったり。
みればマンガが載ってるわ(転載だけど)。
似た者夫婦なんでせうかね。このセリフや雰囲気は。
しかし、この当時の“あの”ってのはどういったニュアンスだったんでしょ。
- 2002-12-31
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なんか、すでに年越してしまっているのだが^^;、
一応、2002年の読了物ということで。
秋山完『ペリペティアの福音(上中下)』。
宙戦没者を弔うために惑星ペリペティアにやってきた葬祭社団
ヨミクーリエ社の新米祭司は、その惑星でついに見つかった
歴史的大帝の墓にあわせた政治的な大葬儀の大司祭代理に急遽抜擢され、
サポート役の尼層やヨミクーリエの仇敵ゲルプクロイツ社の三博士、
原住民の少女等に翻弄されながら大事に巻き込まれていく
…ああSFです。とびっきりにどうしようもなく。ガラクタでホラフキで。
"作者入魂"と帯にあって確かにちょっと力みすぎてるところは
あるけれど(作者が影響受けたであろうネタの使い方とか)、
読めて幸せもっと早く読むんだったとちと後悔、と。
小ネタにニヤニヤさせられる感覚は小気味よく、また序章での少女救出決定のシーンに始まり
ラストの禍日の中の人々や艦隊の危機を救う少女の
シーンなど(たぶん作者の)見たいシーン見せたいシーンを魅せてくれてる感じ。
それにしても、またしてもブタなんは…まあ発表年代は別なんでたまたまなんですが。
(でもストーリー的に別物だけど扱っている(メイン?の)ネタ的には
ストーンエイジ・コップとこれは被ってしまってますね…
で、ついつい比べちゃうと、こっちのほうが吹っ切れちゃってるような)
上遠野浩平『海賊島事件』。
女郎蜘蛛ではないけれど、まあそんな感じに世間を操る奴登場の巻、って、
まあ、風の戦士の最後のセリフになってしまってミもフタもないんだが。
戦時調停士の合格条件からすると、やっぱしレーゼさんも
実質その状態だよなあ
『「ほしのこえ」を聴け』。
たぶん、結局、作品内容自体に興味はないんだよなあ>己。で、この本の内容もそのようで。
編集者4人の座談会が読みたくて、特に大野氏ってどんな人なんかなあ、って感じなんかも。
あと、東浩紀と大塚との意見の違いって(まあ二人に限らないけど)、
座標系の違う値だよなあ、生の値を直接参照して比較しても意味ないで。
比較は同一座標系へ変換してから、なんだが、比較に都合のいい座標系がそうないような気もする
(...っと書いてみたが意味のない連想なだけだな)。
緒方剛志/上遠野浩平『ブギーポップは笑わない(2)』。
原作をそのまま落とした普通の漫画、といったところかな。
悪くはないんだけど、ぬきんでてこれは、って魅了されるシーンもない、、、わがままな読者だ>己
(もっとも原作も一作目はそんな気に入っているわけでもない奴なんで)。
尾田栄一郎『ONE PIECE(26)』。片鱗からすると“神様も辛いのね”ってことなんかな。
貞本義行/GAINAX『新世紀エヴァンゲリオン(8)』。センセイ。
曽田正人『昴(11)』。こいこい。
浦沢直樹『20世紀少年(11)』。
なんであそこで車でいかせるんだあ、と思うし、
ヘリはバレるだろーって考えるように思うもま、ええか。
福本伸行『賭博破戒禄カイジ(8)』。反撃開始。
日高万理『ひつじの涙(3)』。自分の気持ちに気づいた男の子の巻、と。
羅川真里茂『しゃにむにGO(13)』。つよくな~れ、と。